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熊本市の不登校児童・生徒が10年間で4.5倍に 最多の理由は「無気力・不安」

2024年6月5日 19:34
熊本市の不登校児童・生徒が10年間で4.5倍に 最多の理由は「無気力・不安」

熊本市立の小中学校で、2022年度に不登校の児童・生徒が2700人を超えたことが明らかになりました。10年で4.5倍に増加した不登校。どんな背景があるのでしょうか。

6月4日に開かれた熊本市の教育行政を審議する会議には、学識経験者や教員、保護者など15人の委員が出席し、不登校の現状が報告されました。それによりますと、熊本市立の小中学校で、病気や経済的な理由以外で年間に30日以上欠席した「不登校」の児童・生徒は2022年度、2760人でした。特にコロナ禍の2020年度以降増加し、10年間で約4.5倍に増えています。

不登校の理由で最も多かったのは、「無気力・不安」で1439人。次に「生活リズムの乱れ・あそび・非行」で294人、「親子の関わり方」が173人と続きました。

委員からは、教員の業務量が多い現状を踏まえ、「学校がどこまで学習支援を担うか決める必要がある」との意見が出されました。また、「どのような支援が必要か、子どもたちの声を聞くべき」、「学校に行かないことを問題行動と捉えるのではなく、様々な形で学習や自立のサポートをすべき」といった意見も出されました。

■教育行政審議会 藤田豊会長(熊本大学教育学部長)
「学校に復帰しないというのも支援の在り方の一つという意見が出てきたし、子どもたちが何を思っているのか、ちゃんと声を届けてもらうことの大切さを感じた」

会議では、子どもたちが安心して学び社会的自立をめざす教育行政について議論し、今年度末に教育長に答申する予定です。