【水俣病裁判】原因企業チッソが控訴 大阪地裁が原告全員を水俣病と認め賠償命じる判決
水俣病をめぐる裁判で、大阪地裁は9月、国の救済策にもれた原告全員を患者と認める判決を言い渡しました。被告の原因企業チッソが4日付けで大阪高裁に控訴しました。
この裁判は、熊本県や鹿児島県に生まれて関西に移り住み、水俣病の最終的な解決をうたった「水俣病特別措置法」の救済からもれた原告が、国や熊本県、水俣病の原因企業チッソに損害賠償を求めたものです。
9月27日、大阪地裁は原告128人全員を水俣病と認め、被告に賠償を命じる判決を言い渡しました。
大阪地裁によりますと、被告のうちチッソは判決を不服として、4日付けで大阪高裁に控訴しました。チッソは、KKTの取材に対し「控訴についてコメントは差し控える」としています。
控訴の期限は9月11日で、国と熊本県は控訴について「検討中」としています。
原告団や弁護団は声明を出し、チッソの控訴に対する抗議と被害者の早期救済に向けた協議に応じるよう求めました。
弁護団長の徳井義幸弁護士は、KKTの取材に対し「加害企業としての責任を、いまだに自覚していないのではないか。さらに被害者を苦しめるつもりか」と憤りをあらわにしました。