日本最速の女子高校生 パリ五輪へ!短距離界ホープ・山形愛羽選手の「百日修行」
パリオリンピックを目指すアスリートを紹介。
熊本では去年、日本一を達成した高校ナンバーワンのスプリンターを取材しました。
階段を駆け上がるのは…短距離界のホープ・山形愛羽選手。インターハイで日本一に輝くなど高校短距離4冠を達成。
若きスプリンターが見据えるのは…。
■山形愛羽選手
「狙うのはやっぱりパリオリンピック」
去年12月。
山形選手は熊本中央高校3年の18歳。
強さのヒミツを探りに自宅に伺ってみると…壁を埋め尽くすほどの賞状やトロフィーが。
陸上を始めたのは小学2年。
短距離選手だった母・奈緒美さんの影響でした。
今では妹や弟も陸上選手です。しかし体が小さくタイムが伸びない時期も…。
さらに高校1年では足の甲を疲労骨折。
何度も壁にぶつかりながらも前だけを向いて努力を続けてきました。
■山形愛羽選手
「1番大事な時期でのけがだったのでとても苦しかったんですけど、走る以外のトレーニング、自分が足りなかった補強の部分を徹底的に強くなるようにそういった部分の練習ができたので逆にプラス、プラス思考に考えて練習に励んでいました」
そんなプラス思考が高校で花開くことに。得意の後半の加速で他を寄せ付けない圧勝劇。
県高校総体では100mと200mで3年連続2冠。64年ぶり史上2人目の快挙でした。
8月のインターハイでは初めての日本一に。その後のかごしま国体でも大会新記録を連発して4冠。有終の美を飾りました。
■山形愛羽選手
「高校1年生の時からの目標を達成できたので高校の競技面では100点満点だと思います」
陸上部の恩師も…。
■熊本中央高校陸上部・德本康輝監督
「最初の1、2年間はかなり苦労も多くてどんな時も諦めない姿勢で取り組んだ努力が報われたのかなと思います。本当に負けず嫌いで努力家の子です。強みはピッチ(回転)の速さと後半減速をしないスピード、持久力が一番の魅力」
ただ目標はパリオリンピック。
日本代表入りを目指す山形選手が課題としているのがスタートです。
■德本康輝監督
「他の選手と比べた時に最初の1歩が小さかったりとか体が置いていかれるところがあるので、そこは筋力とあとは体の使い方で改善できたら」
課題克服のために取り入れたのが…。
■德本康輝監督
「自転車のタイヤの中のチューブ。自転車屋さんにいただいて集めて結んで、手作りで」
体をチューブで支え、前傾姿勢にすることでスタート時に大きな1歩目を踏み出す感覚を養います。特に冬場は大事だということで…。
■山形愛羽選手
「『百日修行』というのをしています」
「百日修行」とは、試合のない冬場に筋力を鍛える中央高校独自のトレーニング。次のシーズンに向けて基礎体力をつけるのが狙いです。
2023年12月30日、年の瀬。
この日の練習は…。
Qどんなことを意識して走る?
■山形愛羽選手
「階段ダッシュは苦手なんですけど自分なりにできるだけ早く行けるようにしています」
一段飛ばしで足を高く上げ、階段を登ることで足腰に負荷をかけて筋力アップにつなげます。
山形選手にとって2024年は?
■山形愛羽選手
「自己ベストが11秒50なので100mの自己ベストの更新すること。パリオリンピックのリレーメンバーとして出場できるように頑張りたい」
日本のトップアスリートに成長した山形愛羽選手。熊本から世界へ羽ばたきます。