【箱根駅伝】65歳恩師の給水も話題に 熊本の高校を卒業した12人が出場
連覇を果たした青山学院大学の強さの秘密。そして、29歳で憧れの箱根路を駆け抜けた選手に話を聞きました。
2日と3日に行われた第101回箱根駅伝。連覇を目指す青山学院大学は1区で10位と出遅れるも、2区の黒田朝日選手がチームに勢いを生む快走を見せます。そして3区でタスキを受けたのが、九州学院高校出身の4年・鶴川正也選手でした。鶴川選手は10キロ過ぎ、前の選手を追い抜きます。一時、順位を2位に上げましたが、その後、創価大学に抜かれ3位に。しかし鶴川選手は区間4位の力走を見せ、3位でタスキをつなぎます。
その後、4区の太田蒼生選手が日本人最高記録の区間賞を獲得し、2位に順位を上げた青山学院大学。往路優勝をかけた5区。トップを走るのが、開新高校出身で中央大学4年の園木大斗選手です。しかし、区間新記録のペースで走る青山学院大学の若林宏樹選手が迫ってきます。そして首位逆転。
そのままトップを守り切った青山学院大学が2年連続7度目の往路優勝。中央大学の園木選手は往路2位でゴール。4年間の集大成を区間6位で締めくくりました。
3日の復路でも、青山学院大学は圧倒的な強さを見せ、トップを譲らず。2年連続8度目の総合優勝を果たしました。
■青山学院大学3区 鶴川正也選手(九州学院出身・4年)
Q最初で最後の箱根ですが?
「本当に走りの面では、自分の思い通りには行かなかったんですけど、最高の笑顔になれたので、もう本当にうれしいです。一生の思い出ですね。最高でした」
ところで、青山学院のユニホームの右上部分には「水上村」の文字が。去年、青山学院大学が村内の施設で初めて合宿を行ったのを縁に、ロゴ契約を結んでいます。合宿の際に選手たちが滞在しているのが、「市房庵なるお」です。支配人を務める青山学院大学OBの村井駿さんに強さの秘密を聞きました。
■市房庵なるお 村井駿さん(青山学院大学OB)
「連覇している強豪校ですと、どうしても歴代の重圧を感じるはずなんですけど、青学のいいところはそういうのを感じず、みんなが自分が主役で、しっかり自分の世代で頑張るぞっていう気持ちを持っている。逆に優勝しか許されないような大学になったんだなって思いますね」
そして、今回の箱根駅伝で注目されたのが、8区から9区の東京大学の選手同士の“赤門タスキリレー”。関東学生連合の9区は東京大学大学院の古川大晃選手です。八代市出身で、熊本大学時代を含め熊本城マラソンを4回制した実績があります。
29歳の古川選手は、どんな思いで箱根路を駆け抜けたのでしょうか。
■9区 古川大晃選手(東大大学院)
「沿道のすごい応援を受けているので、ここでペースを落とせないというか、弱気ではいられないというか奮い立たせられて」
古川選手といえば、東大大学院・八田秀雄教授による「65歳の恩師からの給水」も話題に。
■東大大学院・八田秀雄教授
「熊本大学の時から応援している古川君をコースで一番近いところで激励できるなんて、こんなうれしいことはないということで、みなさんの応援の力、支えの力に感謝しています」
熊本県内の高校を卒業した12人が駆け抜けた箱根駅伝。熊本の陸上界の歴史に新たな1ページを刻みました。