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夏休み明け 子どもの変化に注意 富山大学・立瀬助教ら専門家に聞く対応策は

2024年9月3日 19:15
夏休み明け 子どもの変化に注意 富山大学・立瀬助教ら専門家に聞く対応策は

夏休みが終わったこの時期は、学校へ行きたくないと訴えたり、心の不調を感じたりする子どもが多くなる傾向があります。

保護者などはどう対応すればいいのか。県内の専門家や支援を行う人に聞きました。清水記者のリポートです。

メンタルヘルスが専門の、富山大学の立瀬剛志助教です。長期の休み明け、学校に行くことができなくなる子どもがいる理由について、次のように話します。

富山大学学術研究部 立瀬剛志助教
「本人がちょっと学校が安心できる場所じゃないっていうことは多分夏休み前から続いてるんですよ。それを発見できずにそのまま休みに突入してしまうことが問題で、その問題がまたぶり返すっていうことを本人が思ってしまうことが一番の要因だと思います」

新学期が始まるこの時期は、心の不調を感じる子どもが増える傾向にあります。

国がおよそ40年間の18歳以下の自殺者数を調べたところ、夏休み明けの9月1日が最も多くなっています。

立瀬助教は「学校は楽しいか」など、日頃から子どもと会話をすることが大切だとしたうえで、「学校の準備をするのが遅い」「夜にいつまでもゲームをしている」といった小さな変化に注意することが大事だと話します。

立瀬剛志助教
「学校に対する備えに抵抗があるような態度を感じたときに、率直に『学校に行きたくないの?』と聞いてあげることが一番の近道だと思いますね」

学校に行くことができないと悩む子どもたちに寄り添う、学校以外の「居場所」が県内でも増えています。

「Switch不登校の子どもと親の会」では不登校の子どもやその家族のためのフリースペースなどを開いています。

代表の小澤妙子さんにも不登校の子どもがいます。

Switch不登校の子どもと親の会 小澤妙子代表
「学校の基準に必ず合わせるのが、その子の幸せなのかっていうことを、常に自分の価値観というか、ものさしだったりを見直し続けるっていうことはすごく大事だなっていうふうには思っています」

フリースペースに来ていた中学生の子どもを持つ母親は。
「学校に行きたくても今行けないという状況が続いていて、笑顔がやっぱり見られるっていう、ここに来るだけで。親としてはすごくありがたいし、うれしいなって思います」

小澤さんは学校に行きづらい子どもたちには、こうした居場所を利用してほしいと呼びかけています。

小澤妙子代表
「学校以外の選択肢として、多様な学びのひとつとして、生きていく力を今養うっていうことになってきているので、そのための手段のひとつとして、ぜひ活用していただければなと」

富山大学の立瀬助教は、子どもたちにとって大事なのは、自分を認めてくれる人の存在だと話します。

立瀬剛志助教
「僕自身は学校は無理して行かなくてもいいと思ってます、はっきり。本人がどう安心して幸せに暮らせるかって考えたときに、必ずしも学校へ行く選択が唯一の選択だとは思ってないです。本人を認めてくれる場所、褒めて認めてくれるような大人がいる場所を探すっていうことが重要になってくるんだと思います」

子どもの異変に気付いた時、保護者は、まずは話を聞いてしっかり受け止めることが大事です。

また、子どもや保護者が相談できる窓口もあります。悩んだときは抱え込まずに相談してください。