内子町小田地区が日本三大産地!お正月の縁起物「若松」出荷へ大忙し
深まる山里の秋で出会った、日本に3か所だけの産地!お正月に欠かせない縁起のいい特産品とは?
愛媛県内子町に入ったところで見つけたのは、一見どこにでもありそうな倉庫なんですが…この倉庫で扱っている知る人ぞ知る特産品、なんだかわかりますか?
ヒントは「縁起のいいものの代表格」!
正解はこちら!
神岡 乃さん:
Q.これ全部?
「若松です、お正月用の若松。この地域だけに5軒の若松農家があるんです」
Q.「若松農家」ってあまり聞かないですが
「茨城と兵庫県の丹波、で愛媛だけ。(産地は)全国に3か所です。(愛媛では)ここだけです」
門松や生け花など、日本のお正月に欠かせない「松」。ここ、内子町小田の吉野川地区は、全国にたった3か所しかない、松の若木、「若松」の産地なんです!
あれも…これも…ぜ~んぶ、「松」!
若松農家 神岡 乃さん:
「12月の4日、5日くらいまでに全国の市場に、60市場(に出荷する)」
Q. 今年はどれくらい出荷?
「うちは22,3万本やないんじゃなかろうか」
Q.1年かけて育てる?
「4年かかってるんです4年。これだけに4年。1年生の畑、2年生の畑、3年生の畑、4年生の畑がある」
その畑がこちら。小さいものから収穫目前のものまで、いろんな大きさの松が植えられています。知らないことだらけ、激レア特産物の若松。出荷に向けた作業、順を追って見せていただきました!
まずは倉庫の入り口。ここではサイズや用途に合わせて大まかに仕分けが行われます。と、同時に…
選別スタッフ:
「これちょっと黄緑なんですよ、違うでしょ?」
Q.黄緑の若松はどうなる?
「これはこれで集めて、束にして出荷します」
正月を迎える縁起物だけに、見た目は重要なポイント。わずかな差を見落とさないよう、皆さん真剣なまなざしで若松と向き合います。
そんな中、腰から何やらぶら下げている女性が。
あ、こちらのお母さんも?これは一体…
選別スタッフ:
「あ、これ?これが気になる?『かるすけくん』っていいます。立ち上がりが楽なんです。これ軽いんですよ、こうやってすぐに立てる」
なんと、イスに早変わり!
Q.奥さんも「かるすけくん」がないと?
「ダメダメ」
その後、サイズや用途別にさらに細かく選別したものを…男性陣が束ねます。ここでも大事なのは、“見た目”。
スタッフ:
「(幹が)曲線になっとったらこう置いてこう置いて…(重ならないようにする)で、まっすぐなようなのは外になるように」
さらに細かく調整して…見事、まっすぐな束になりました。
全国の市場からの評価も高いという、小田の若松。
若松農家 神岡 乃さん:
「松って一つの市場で(市が)1日、1年間に“松市”ってある。それに遅れるとお金が取れない。それでピリピリしながら計算しながら、1日にいくら作って何日までに(出荷)っていう作業になる」
小田町育ち、全国各地の正月を彩る縁起物。
若松農家 神岡 乃さん:
「(全国の市場で)「小田の松」、「神岡の松」と言われるのはやっぱりうれしい」
年に1度の“松市”に向けて。神岡さんの忙しい日々は続きます。