富山県選出国会議員2人に対し 弁護士らが刑事告発 政治資金パーティー「裏金」事件めぐり
自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件をめぐり、キックバックされたパーティー券収入を政治資金収支報告書に記載していなかったことは「脱税にあたる」として県内の弁護士らが県選出の国会議員2人について刑事告発しました。自民党県連についても告発の対象としています。
水谷敏彦弁護士
「私たちに対しては1円2円の単位まで調査して徴収するのに、国会議員に対してはやらない。税務調査すら。ふざけるなと言いたい」
8日検察に告発状を提出したのは富山市の水谷敏彦弁護士らです。
対象としたのは自民党の県選出国会議員で、野上浩太郎参議院議員と田畑裕明衆議院議員です。
派閥からキックバックされた政治資金パーティー収入について、野上議員は合わせて100万円、田畑議員は合わせて68万円を政治資金収支報告書に記載していませんでした。
告発状では収支報告書への虚偽記載による政治資金規正法違反、また、そのことにより雑所得の課税を逃れた所得税法違反にあたると訴えています。
水谷弁護士らは2024年5月、富山税務署に対し申告漏れや過少申告などについて税務調査を行うよう求めました。
しかし税務署から明確な回答はなく、告発に至ったということです。
水谷弁護士
「国会議員特別扱いと書きましたけど、そこは正さなきゃいけないということもあって、そこは金額の大きさじゃない。私たちは領収書1枚足りなかったら、ちょっと来なさいなんですよ。そういう点で告発する意味があると思います」
また、自民党県連についても告発の対象としました。
県連が2022年開いた政治資金パーティー「政経文化セミナー」の収入や経費について収支報告書への記載に虚偽があるうえ、「興行」として法人税を支払うべきであると訴えています。
県連の宮本幹事長は「告発状を確認できていないのでコメントできない」としています。