“裏金”還流日付不明 識者「説明不十分」 野上・田畑議員が政治資金収支報告書を訂正
自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件を受け、県選出で安倍派の野上浩太郎参議院議員と田畑裕明衆議院議員が、21日までに政治資金収支報告書を訂正しました。
派閥からの還流について金額を記載した一方、2人とも受け取った日付を「不明」だとしていて、識者は訂正方法に疑問を投げかけています。
政治資金規正法は、政治団体に対し、1年間の収入と支出などを政治資金収支報告書に記載し提出するよう義務づけています。
派閥からの政治資金パーティー収入の還流をめぐり、2022年までの5年間で野上議員は合わせて100万円、田畑議員は合わせて68万円を清和政策研究会=安倍派からそれぞれ受け取ったにも関わらず収支報告書に記載していませんでした。
総務省や県選挙管理委員会に提出された資料を情報公開請求するなどして確認したところ、野上議員は2月15日付けで、田畑議員は1月31日付けで、それぞれが代表を務める政治団体の収支報告書に還付分の金額を記載して訂正していました。
ただ、派閥から還付を受けた日付については2人とも「不明」としています。
理由についてKNBが問い合わせたところ、野上議員の事務所は「寄付日を派閥にも確認したが特定することができなかった」と答えました。
一方、田畑議員の事務所は「意図的に不明としたわけではなく、派閥に日付を証明するものがないため」と答えました。
自民党派閥の裏金づくりを刑事告発し、問題が明るみに出るきっかけをつくった神戸学院大学の上脇博之教授は、2人の議員の訂正について、「自らは裏金について知らず会計責任者のせいだというなら、会計責任者は帳簿を付けているはずでどうして不明となるのか明らかに訂正が不十分」と指摘しています。