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田畑議員の政治資金パーティー問題 関係者、県民、有識者はどう見る

2024年7月8日 20:13
田畑議員の政治資金パーティー問題 関係者、県民、有識者はどう見る

自らの政治資金パーティーをめぐり、衆議院富山1区選出で自民党の田畑裕明議員は5日に会見を開き謝罪しました。田畑議員は6日には選挙区支部の大会でも謝罪しましたが、次期衆院選での田畑議員の勝利に向けての決議は採択されませんでした。会見を、県民や専門家はどう受け止めたのでしょうか。

田畑議員「私の大変未熟な判断、そのことに対しまして多くの皆様よりお叱りやご意見をいただいてきたところでございます。今回の未熟な判断に対しまして、心よりおわびを申し上げます。誠に申し訳ございませんでした」

5日に会見を開いた田畑議員。予定していた政治資金パーティーの案内状に記載された「入金のみ」の項目が、政治資金規正法が禁じる「政治家個人への寄付」にあたる恐れがあると問題視されました。

会見では「入金のみ」の項目を設けたパーティーは、2022年以降に7回行ったと説明し、資料を対価として渡しているため「違法性はない」と強調しました。

その一方、国会で政治資金規正法の改正を議論しているさなかにパーティーを開こうとした理由については「未熟だった」「思慮深い判断ができなかった」など具体的な説明を避け、同じ言葉を繰り返しました。

神林記者「どうしてこの状況でパーティーを開催しようと?」
田畑議員「先ほどからもお答えをしてございますが、本当に謙虚な、しかも熟慮した判断というのが欠けていたということに尽きるとお答えさせていただいております」

田畑議員の説明について県民は。
「(会見が)遅いやろうね。問題があってすぐ対処すればこんな大騒ぎにならんかったと思う」
「パーフェクトな人なんてのは我々も含めてそんなにいないんですけど、政治家なら(有権者への)気配りがもうちょっとあってもいいかなと思いました」
「脇が甘いよね。これだけ問題になっているんだからね。地味に真面目にしてたら信頼回復、時間がかかるけど、なるんじゃないですか」

田畑議員の会見について政治資金に詳しい専門家は「納得できない説明だった」と話します。

神戸学院大学 上脇博之教授「『入金のみ』ということがバレてしまって、恐らくそれを繕う説明をしているようなので、僕自身はこの説明が真実とはちょっと思えないですね」

「入金のみ」を選んだ人には資料を対価として渡しているため違法性はないとした、田畑議員の説明については。

神戸学院大学 上脇博之教授「会場に(行って)参加した場合にちゃんと対価を得ていたってことになります。(入金のみの)人は、政治資金パーティーに参加しているわけではないので、百歩譲って一定の対価を提供したとしても、政治資金パーティーと実際に参加していない人への収支は、分けて収支報告書に書かないといけないんですね。ところが収支報告書を見るとその区別がないですから、僕から見るとやはり『入金のみ』は寄付だったのではないかなと疑われても仕方がないと思いますね」

田畑議員は6日、自らが代表を務める自民党の選挙区支部の定期大会でも出席者に謝罪。出席した支部の役員や来賓からは結束を求める声があがりました。

中川忠昭 選挙区支部長代行「田畑さんも先程からいろいろと話をされた通りでございまして、我々もマイナスからスタートしていくという覚悟で、みなさんと共に支えていきたいと思っている」

しかし、次期衆院選での田畑議員の勝利に向けての決議は採択しませんでした。定期大会では例年、採択されている特別決議で、異例のことです。

大会の後、中川支部長代行は取材に対し「今はそういうことをやる前に、信頼回復を優先させて歩み始める、それに尽きる」と説明しました。

一方、上脇教授は「田畑議員はまだ説明責任を果たしていない」と指摘します。

神戸学院大学 上脇博之教授「客観的な資料を提出すべきなんですよね。例えば当日何人の方が来て『入金のみ』の方についてはいついつ郵送したのかとかね。そういうことも含めて(資料を)渡したというのであれば、何と何を渡したのかも含めて、一つひとつ具体的に説明しないと説明責任を果たしたことにはならないですよね」

さらに会見中10回以上にわたって「未熟だった」という言葉を繰り返した説明についても…

神戸学院大学 上脇博之教授「自民党の議員さんたちは、ほとんどの方が政治資金パーティーをやっているわけですね。でも『入金のみ』という形でやっているところが他にあるんですか、と。あるんだったらその人の真似をしたっていうことはあり得るかもしれませんけど、そうでないのであれば『未熟』では説明できないですよね」

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