【無断・架空党員登録問題】自民・田畑議員に県連が聴取 離党求める声も 今月12日に対応決定
冷たい雨が降り、まだ薄暗さが残るきのう午前7時すぎ。
自民党県連会長の橘慶一郎衆議院議員をはじめ、県連・市連の役員らが富山市のホテルに次々と入り込みました。
報道各社が田畑議員の到着を待っていましたが、3階の会議室の中には、すでにトレードマークの緑のネクタイを締めた田畑議員の姿が。
県連、市連幹部らによる聴取は午前7時半から始まりました。
田畑議員・先月29日の会見「合計262名分につきまして、不適切な党員登録、党費の支払いが認められました」
田畑議員は先月の会見で「本人の承諾なく無断で登録したり、架空の名前で登録したりした党員が262人にのぼる」と明らかにしました。
その一方で、自らの関与は否定しました。
田畑議員に離党求める声も
聴取について県連の橘会長は。
自民党県連会長・橘慶一郎衆議院議員「出処進退を考えてほしいという声もありましたし、仕事で返していくこともあるんじゃないかいう意見も役員の中からございました」
役員の声に対して、田畑議員はどう答えたのか。
橘会長「本人も重く受け止めると、とにかく汗かいて自分の政治活動などで、一歩一歩自分なりに信頼を取り戻す努力をしたいと、みんなのために、みんなのためになるように努力したいと話しておりました」
一方、10月の衆院選で田畑議員を推した富山市連の中川忠昭支部長は。
自民党富山市連・中川忠昭支部長「この前の記者会見の内容と全く同じことをおっしゃったということでありますから、変わったことも何もございませんでした」
田畑議員は先月の会見と同じ説明を繰り返したということです。
田畑議員・先月29日の会見「党費はその親族の方が支払ってくれるとの申し出を受けました」
きのうの聴取でも、無断や架空の党員の党費は亡くなった田畑議員の親戚や自らの父親が支払っていたと説明したとみられます。
中川支部長は、自ら田畑議員に離党を促したことを明らかにしました。
中川支部長「(来年は)市長選、市議選、それから参院選もあるわけですから、そういうことを考えた時に、もう一緒になって田畑さんと活動することは今の状態では大変難しい状況にある。自民党としての活動は厳しいものがある。そこはやっぱり自民党としてですねけじめをしていただきたいと(本人に)申し上げました」
この他、KNBの取材ではきのうの聴取ではベテラン県議からも離党を求める声が上がりました。
「議員辞職とまでは言わないが離党すべき」
一方、来年4月の富山市議選への影響について県西部の県議からは。
「富山市議の皆さんはしっかり自分の選挙をすれば今回の影響はないのでは」
田畑議員を擁護するような発言に、富山市連の役員は怒りをあらわにして反論したということです。
田畑議員はどこへ 待ち構える記者を避け
およそ1時間半に及んだきのうの聴取。
地下駐車場には田畑議員の秘書が運転する車があり、報道各社は聴取を終えた田畑議員に話を聞こうと待っていましたが。
田畑議員秘書「ホテルの方からの電話で本人は県連役員に促されて退出してホテルを出たと言われました。僕もちょっとよく分かっていないんですけど、あら?と思って・・・」
数家解説委員「地下駐車場で秘書の車が待機していましたが、本人がホテルを出たということでこの車も今、出発しました」
フロントロビーでは、別の記者やカメラが待っていましたが、ここにも田畑議員は現れませんでした。
一体、どこからホテルを出たのでしょうか。
聴取のあったホテルから報道各社の目をかいくぐって姿を消した田畑議員。
およそ4時間後にKNBのカメラがその姿を捉えました。
会場アナウンス「衆議院議員、自由民主党、田畑裕明さまです」
オーバード・ホールの中ホールで行われたイベントであいさつした田畑議員。
無断・架空の党員登録問題については、一言も触れませんでした。
KNB「県連の皆さんの意見をどう受け止めていますか?離党はどう考えていますか?」
田畑「・・・」
明確に答えることなく、去っていきました。
田畑議員の処遇 県連は12日に対応決定へ
聴取を受けて県連幹事長の宮本光明県議会議員はきのう、東京で、党本部の森山幹事長と対応を協議しました。
県連・宮本幹事長「幹事長は大変、そういう問題があるということは現に大きな問題だからそこは県連としてしっかり対応してもらうべきだねと」
協議後に取材に応じた森山幹事長は。
森山幹事長「田畑さん自身がしっかり地元で説明していただかないといけないと思っておりますし、その努力をしておられると聞いております」
一夜明けた、けさ、宮本幹事長は今月12日の常任総務会で出す県連としての結論を、党本部にも了承してもらうつもりだとしました。
神林記者「基本的にはボールは県連にあるっていうような認識なのか受け止めなのか?」
宮本幹事長「県連にボールがあるというか、県連の意向を党本部がどう受け止めてくれるかということなのだと私は思っていますし、そうあってほしいという風な意味で色々とすり合わせをしていると。12日に私が発言したことは党本部も理解しておるということにしたいと思って今、県連会長も調整していると思います」
党本部に田畑議員の処分を求める「上申」をするのかどうかが焦点となります。
口裏合わせと矛盾が明らかになっている説明を自民党の身内にも繰り返した田畑議員。
KNBなど県内報道機関でつくる県政記者クラブは、本人の口から真実が語られるよう会見を申し入れています。