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避難所となる公共施設の「鍵」 管理見直しへ 富山

2024年4月11日 19:20
避難所となる公共施設の「鍵」 管理見直しへ 富山
能登半島地震では、住民が学校などに避難しようとしたところ、鍵がかかったままだったため扉ガラスを割って建物内に入った事案が相次ぎました。

この問題を解決する「カギ」を小丸記者が取材しました。

能登半島地震が発生した1月1日。

津波警報が出たことから、沿岸部にある富山市の小学校には、200人余りが避難してきました。

しかし、学校には鍵がかかっていたため、住民が許可を受けたうえで窓ガラスを割って中に入ったということです。

こうした事案は、避難所になっている県内の学校25か所で確認され、災害時の速やかな解錠方法や、鍵の保管方法が課題となりました。

黒部市の生地鼻灯台です。

海から100メートル離れた海抜4メートルの場所にあり、生地地区の津波避難所の一つとなっています。

能登半島地震の際は、住民およそ20人が駆け込みました。

出戸端芳信さん
「とるものとらんと、そのまま揺れ止まったらすぐ飛んできて」

地震後、灯台に最初に駆け込んだ住民の出戸端芳信さんです。扉の鍵は持っていませんでしたが。

出戸端さん
「地震の時に、これが開くようになっている。ここにカギ入っていて、このカギでこれを、入れて、これでカギ取って、これ回るから、こう開けて、そして中に入って、電気をつけたと」

灯台の鍵は、近くの住民が管理するもののほかに、灯台の扉に設置されたボックス内にもあります。

このボックスは、緊急警報放送を受信すると自動で開く仕組みとなっていて、2022年、海上保安部が全国で初めて導入しました。

普段、灯台のカギを管理しているうちのひとり、根塚俊彦さんです。

近所の人などを連れての避難だったため、灯台に到着したのは地震発生から10分近く経っていましたといいます。

根塚俊彦さん
「助かりましたよ、私いつも一番に駆けつけるとは限りませんので。鍵のボックスというのは、緊急時には開くような体制を作っていただければ、どこの避難所でもみなさんが避難することができるんじゃないかなと。私は必要だと思います」

一方、小矢部市の公民館では別の方法を導入しています。

青島和夫館長
「鍵を開けるときは指紋認証で開けます…これで開きましたね」

小矢部市の正得公民館では、職員だけが使用できる電子錠「スマートロック」を2023年4月に導入しました。

スマートロックは指紋認証や暗証番号で開けたり、スマートフォンで離れた場所から鍵を開けたりすることができるものです。

青島館長
「やはり楽ですね、鍵を持たなくてもいいですから、指紋ひとつで開きますので、意識的に楽です」

小矢部市は、公民館の職員は、平日の日中しか常駐しておらず、近所の住民にとって鍵の管理は大きな負担で、預かり手も減っているとして、2024年度、ほかの公民館でもスマートロックの導入を進めます。

青島館長
「避難所である場所が、職員がなかなか鍵を開けに来れなくて、ちょっと困っていたなんて話も聞いていますので、そういった(災害の)場合にもすぐ対応できるということで、いいんじゃないかと思います」

県内では、小矢部市のほか少なくとも4つの市と町が、2024年度に公民館や学校など公共施設のカギを開けられる新しいシステムを導入します。
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