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地震被害の高岡市伏木で洋菓子店オープンする女性の挑戦

2024年5月24日 19:56
地震被害の高岡市伏木で洋菓子店オープンする女性の挑戦

能登半島地震により液状化現象で家屋や道路に被害が相次いだ高岡市の伏木地区で、洋菓子店のオープンを目指す女性がいます。家族の支えを力にして震災を乗り越えようとする姿を、長谷川記者が取材しました。

元日の能登半島地震で大きな被害を受けた高岡市伏木地区。

「道路もガタガタのままとりあえず直しているだけなので、なにも直っていないですよね。で、どんどん家はなくなっていく」この地区で暮らす吉川奈美さんです。石川県に生まれ、結婚を機に移り住みました。

「おいでおいで!おかえりー」小学2年生から中学1年生までの5人の子どもを育てています。

「みんな伏木を愛している。この子たちも、もちろん伏木を愛してるし、大好きだし。ずっと残していきたい地域ですよね」

吉川さんはいま、ある大きな夢に挑んでいます。

Q「何を作っているんですか?」「テリーヌショコラ。すごい滑らかな、いわゆる生チョコみたいなケーキを(作っています)。お店で出す用です」

地元で洋菓子店オープンへ。作るのは、氷見市産の山ぶどうや射水市産の食用バラなど地域の食材を使ったスイーツです。

「楽しみ半分、ドキドキ半分。いつかお店を持つ、いつかお店を持つってずっと言っていて、そういう場所を持っていなかったので、本当やっとこさですね」

調理師学校を卒業後、シェフやパティシエとして働いてきた吉川さん。去年、クラウドファンディングを通して資金を募り、自分が住む伏木で店を開く準備を進めてきました。

しかし、そんな矢先、これまで経験したことの無い大きな揺れが町を襲いました。

幸い吉川さんの家は被災を免れましたが、店舗となる建物は電気設備に影響が出て、3月に予定していたオープンができない事態に。

「もちろん資金も、皆さんに支援してもらってやめるわけにはいかない…どうしようでした、本当に」

一時は窮地に立たされましたが、再出発へ背中を押してくれたのは、子どもたちの存在でした。

地元の伏木、そしてこどもたちの未来のために。吉川さんは急ピッチで準備を進め、店のオープンができるところまでようやくたどり着きました。

「子どもたちが伏木をそのまま愛してくれて大きくなって、伏木のため。県外に行ったとしても伏木のために、こう何かできることを考えてくれれば、震災に負けず伏木は頑張っていけるんじゃないかなと思ってます。私が起爆剤になって、いろんな人が来てくれるのはもちろんですけど、できれば住んでほしい。できれば伏木いいとこやね言うて、住む人が増えてくれればいちばんいいですよね。働く場所にしても、何にしても、伏木に人が増えてほしい。人がいないことには何も始まらないので」

甘いお菓子で、伏木に希望の光を。吉川さんの夢の実現はまもなくです。

洋菓子店は5月27日にオープンします。

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