不安和ませたい ホスピタルアート完成 富山大学附属病院
手術を受ける患者の不安な気持ちを和ませようと、富山大学附属病院で手術室前の壁に絵を描く「ホスピタルアート」が制作されました。きょう完成したばかりのホスピタルアートとは、どんな絵なのでしょうか。
清水記者「手術室前の壁には、かわいらしい動物などが描かれています。廊下の雰囲気が明るくなって、絵を見ていると癒されます」
立山連峰に、ライチョウも。富山大学附属病院では、手術に向かう患者や医療スタッフにリラックスしてもらおうと、「ホスピタルアート」を制作しました。
きょうは完成を祝うセレモニーが行われました。
富山大学附属病院 林篤志院長「患者さんとか医療従事者を含めてですね、全ての人に力を与えてくれるということだと思っています」
絵を制作したのは、秋田県在住のアーティスト細井茶生さんらです。
美術大学で助手も務める細井さん。
細井さんの姉が富山大学医学部の学生であるつながりから、今回、依頼を受け、富山の自然や富山にちなんだ動物などを描きました。
「チューリップを片手に持っていてエールを届けたいというのが大きな目標というかテーマなので、動物が歌を歌っていたり、音楽を奏でたり、チューリップを受け渡すみたいなことを描いていて、そこから手術室に向かわれる方もエールを受け取ってほしいなというふうに思っております」
思いを込めた壁画は3週間ほどかけて完成しました。
富山大学附属病院・佐武利彦手術部長「オペ室の前は壁も天井も床も汚れていて天気の悪い日はどんよりとした感じで、そういう状況の中でオペ室に行く患者さんには非常に不快な気持ちにさせていたかもしれません。そういったのがこのアートでですね一新して気持ち良くここの前を通ってもらいたいなというふうに思っています」
富大附属病院は、患者のための環境を整える費用などに充てようと去年、初めてクラウドファンディングを行いました。
当初の目標の2倍以上となるおよそ1360万円の資金が集まり、その一部が、アートの制作や廊下の改修などに使われました。
クラウドファンディングで得られた支援は、このほか、手術室について分かりやすく説明するためのVRゴーグル導入や将来の医療スタッフの確保に向けて小中学生向けの手術室体験ツアーを行うことなどに充てます。
患者に寄り添う医療のために。病院の取り組みが続きます。