地震後は不漁のベニズワイガニ 今季初水揚げは地震前の昨季初日並み
富山湾に秋の訪れを告げるベニズワイガニの初競りが10日、射水市の新湊漁港で行われました。能登半島地震の影響で不漁が続くことが心配されましたが、水揚げは地震の影響を受ける前の昨シーズン初日並みでした。
新湊漁港には、沖合およそ20キロ、水深800メートルから1000メートルの富山湾でとれた、色鮮やかなベニズワイガニが並びました。
今シーズンは9月1日に漁が解禁されましたが、新湊漁協は厳しい残暑がカニの鮮度に影響を及ぼすとして、初競りを1週間余り遅らせました。
10日午前1時に出港してカニかごの引き上げに向かった塩谷久雄さんの船に乗せてもらいました。
昨シーズンのベニズワイガニ漁は能登半島地震以降、漁獲量が大きく落ち込みました。地震の後、塩谷さんは漁場を変えるなど試行錯誤していて、今シーズンの豊漁を願っています。
久栄丸 塩谷久雄船長
「空のかごは無いから いいのではないか」「少しずつでも入っているから」
しかし、塩谷さんの船の10日の水揚げはおよそ240匹で例年を下回り、船によってばらつきがある結果となりました。
久栄丸 塩谷久雄船長
「もう少しカニが出てきて、かごの中にたくさん入るようになって漁ができればいい」
新湊漁業協同組合によりますと、初日の水揚げは全体でおよそ1900匹で、水揚げ量、競り値の平均価格ともに昨シーズンの初日並みでした。
また、水揚げされたカニのうち3匹が、重さ1キロ以上、甲羅の幅14センチ以上の「極上高志の紅ガニ」と認定されました。
久栄丸 塩谷久雄船長
「これからシーズンに入っていく事故のないように漁をしていければと思っている」
富山湾のベニズワイガニ漁は冬にかけてピークを迎え、2025年5月まで行われます。