地域を盛り上げる!若手農家の挑戦 富山市神明地区
県内で農業の担い手不足が課題となる中、地域を盛り上げようと奮闘する若手農家らがいます。
その活動や思いを取材しました。清水記者のリポートです。
「おいしくなあれ、おいしくなあれ」
6月、富山市の畑でサツマイモの苗の植え付け体験会が行われました。
企画したのは、この地域の若手農家でつくる「神明を農業で盛り上げる会」です。
地区出身の各川豊章さんの呼びかけで2年前に活動を始めました。
神明を農業で盛り上げる会 各川豊章さん
「自分たちのまわりにすぐ目の前に農業っていう世界が広がっているんだよっていうのを知ってもらうためにやっています」
地元の園児が紅はるかの苗300本を植えました。
「一個だけ一個の穴に入れよう」
「楽しい」
「掘ってるところ」
会が活動を始めたきっかけのひとつが、地元の小学校が再編の対象校となったことでした。
各川豊章さん
「いや、地元から小学校なくしたくない、今のうちになんか盛り上げなきゃなんない、と思って」
神明地区では、子どもの数や人口が減少していて、各川さんらは学校の存続に危機感を募らせ、地元の農業の将来にも不安を抱えています。
会のメンバーは農業の世界では”若手”の30代から50代ですが…
各川豊章さん
「専業でっていう話になってくると、私の上はもう70代、80代の先輩方になってしまいますね。これから5年10年していくと、この地区の農業、誰が担ってくのかっていう未来図が全く見えてない状態ですね」
県内で、自営農業が主な仕事の人は2020年までの20年間で7000人あまり減っています。
平均年齢は71.3歳。20年前より5歳ほど上がっていて全国平均よりも高齢です。
進む高齢化や担い手不足といった重い課題。
各川さんは農業の体験を通して、地元の子どもたちから担い手が出てほしいと期待を寄せています。
各川豊章さん
「そうでなくても(担い手にならなくても)神明地区に魅力を感じて、愛着を持ってくれる、例えば将来的に大きくなって一回外に出たとしても、また戻ってくれるような子たちが増えればなと」
会のメンバーがつくった野菜は、2024年の春から近くのスーパーマーケットでコーナーを設けて販売されています。
新鮮な野菜を地域の人たちに直接届けたい、若手の頑張りを知ってほしいという思いが伝わり設置されました。
生産者の顔がわかる工夫をするなど、農家と店が協力し売り場を作り上げています。
コーナーで足を止めていた人
「隣の地域(神明)でたくさんの野菜つくってるのは知ってたんですけど、こんなふうにお店に販売されて頑張っているなと思って」
各川豊章さん
「この売り場が、神明で農業やることの魅力のひとつになってくれればと思ってまして、また新しく神明で農業をやりたいなっていう、挑戦したいなっていう人が現れてくることを望んでます」
農業で地域を盛り上げたいー若手農家たちの取り組みはこれからも続きます。