「富山湾にも“海陸連動断層”」専門家が津波想定見直しを提言
今回の能登半島地震では、陸と海にまたがって伸びるおよそ150キロに及ぶ断層が連動して津波を引き起こしたとみられています。地震の専門家は、富山湾にも陸から海に伸びる断層が複数あり、県の防災計画を見直すべきだと提言しています。
竹内章 富山大学名誉教授(構造地質学)
「言葉としては、海陸断層という言葉が最近言われるようになりました、日本海側では各地に陸と海とにまたがって、活断層が存在しているケースがかなりあると」
県防災会議地震対策部会の専門委員を務める富山大学名誉教授の竹内章さんです。県の防災計画に反映されている津波発生のシミュレーションは、竹内さんら専門家が関わって2017年に公表しました。想定の対象とした断層は3つあります。糸魚川沖の断層と富山湾西側の断層、そして、呉羽山断層帯です。
呉羽山断層帯は、陸と海にまたがる断層として既に認識されていますが、残る2つは海底の断層です。竹内さんは、この断層が陸と海にまたがっていると指摘します。
竹内名誉教授
「県の東部で言うと、魚津断層なんですね、親不知沖から糸魚川沖にある海底の活断層と一連のものだということで」
魚津断層を加えると、断層の長さは86キロから119キロに長くなります。さらに、富山湾西側の断層も。
竹内名誉教授
「石動断層とか、高岡断層、断層帯としては一連のものなんですけど、これが富山湾の西部の断層とつながっている海陸断層であると考えられるわけですね」
石動断層と高岡断層、未知の海底断層を加えると、43キロから84キロになります。現在の津波シミュレーションでは、入善町で高さ10.2mの津波が地震発生から7分で、富山市や魚津市では、5.5mの津波がわずか2分で到達する予想です。しかしこれは、今回の能登半島地震で起きたとみられる陸と海にまたがる断層による「連動型地震」を想定していないのです。
竹内名誉教授
「地震の被害の観点で言うと、陸から海まで伸びていると、全体の長さが長くなりますので、そうすると起きるマグニチュードが、想定すべき最大マグニチュードも大きくなるそうなると、海底の部分で発生する津波も大きくなると考えなければいけないですね」
さらに、今回の地震では、発生からわずか3分後に津波が県内に到達しました。その原因は、地震による強い揺れにより、富山湾の海底で斜面が崩壊し、津波を引き起こした可能性が高いと指摘されています。また県外にあっても強い揺れが想定されているのが、糸魚川ー静岡構造線断層帯です。
竹内名誉教授
「糸魚川ー静岡構造線が、マグニチュード8クラスの地震を起こすということが前から言われていますので、その場合、富山県は特に平野部ですね、軟弱地盤の多い県の富山湾沿いの平野部、ここは震度5強以上になるということで」
県内でも強い揺れに見舞われ、今回と同じような被害を受ける可能性が高いのです。
竹内名誉教授
「そういった強い揺れによって起きる海底地盤の変動で、津波が発生することは、今回と同じか、それ以上のことが起きるというふうに思っていなければならないと思います、そういう意味で、これまでやってきてはいるが、津波シミュレーションなども、見直す必要があると、想定するモデルをアップデートした形でやり直すことが必要だと思う」
竹内さんはこうした津波シミュレーションの見直しを既に県に提言していて、県は新年度予算案に2千万円を計上することにしています。
今回の地震で得られた新たな見方を今後の防災や減災に活かしてほしいと思います。
竹内章 富山大学名誉教授(構造地質学)
「言葉としては、海陸断層という言葉が最近言われるようになりました、日本海側では各地に陸と海とにまたがって、活断層が存在しているケースがかなりあると」
県防災会議地震対策部会の専門委員を務める富山大学名誉教授の竹内章さんです。県の防災計画に反映されている津波発生のシミュレーションは、竹内さんら専門家が関わって2017年に公表しました。想定の対象とした断層は3つあります。糸魚川沖の断層と富山湾西側の断層、そして、呉羽山断層帯です。
呉羽山断層帯は、陸と海にまたがる断層として既に認識されていますが、残る2つは海底の断層です。竹内さんは、この断層が陸と海にまたがっていると指摘します。
竹内名誉教授
「県の東部で言うと、魚津断層なんですね、親不知沖から糸魚川沖にある海底の活断層と一連のものだということで」
魚津断層を加えると、断層の長さは86キロから119キロに長くなります。さらに、富山湾西側の断層も。
竹内名誉教授
「石動断層とか、高岡断層、断層帯としては一連のものなんですけど、これが富山湾の西部の断層とつながっている海陸断層であると考えられるわけですね」
石動断層と高岡断層、未知の海底断層を加えると、43キロから84キロになります。現在の津波シミュレーションでは、入善町で高さ10.2mの津波が地震発生から7分で、富山市や魚津市では、5.5mの津波がわずか2分で到達する予想です。しかしこれは、今回の能登半島地震で起きたとみられる陸と海にまたがる断層による「連動型地震」を想定していないのです。
竹内名誉教授
「地震の被害の観点で言うと、陸から海まで伸びていると、全体の長さが長くなりますので、そうすると起きるマグニチュードが、想定すべき最大マグニチュードも大きくなるそうなると、海底の部分で発生する津波も大きくなると考えなければいけないですね」
さらに、今回の地震では、発生からわずか3分後に津波が県内に到達しました。その原因は、地震による強い揺れにより、富山湾の海底で斜面が崩壊し、津波を引き起こした可能性が高いと指摘されています。また県外にあっても強い揺れが想定されているのが、糸魚川ー静岡構造線断層帯です。
竹内名誉教授
「糸魚川ー静岡構造線が、マグニチュード8クラスの地震を起こすということが前から言われていますので、その場合、富山県は特に平野部ですね、軟弱地盤の多い県の富山湾沿いの平野部、ここは震度5強以上になるということで」
県内でも強い揺れに見舞われ、今回と同じような被害を受ける可能性が高いのです。
竹内名誉教授
「そういった強い揺れによって起きる海底地盤の変動で、津波が発生することは、今回と同じか、それ以上のことが起きるというふうに思っていなければならないと思います、そういう意味で、これまでやってきてはいるが、津波シミュレーションなども、見直す必要があると、想定するモデルをアップデートした形でやり直すことが必要だと思う」
竹内さんはこうした津波シミュレーションの見直しを既に県に提言していて、県は新年度予算案に2千万円を計上することにしています。
今回の地震で得られた新たな見方を今後の防災や減災に活かしてほしいと思います。