富山地裁「証明に足る証拠ない」 窃盗未遂罪で起訴の男性 無罪確定
富山市内の寺に侵入して金品を盗もうとしたとして、窃盗未遂の罪などに問われた県内に住む男性の無罪判決が確定したことがわかりました。
無罪判決を受けたのは、富山市に住む70代の男性です。
男性については、富山市内の寺院に窓から侵入し、かばんなどを物色したものの気づかれて逃走したなどとして、富山地方検察庁が2021年に、住居侵入と窃盗未遂の罪で起訴しました。男性の弁護士によりますと、男性は逮捕当時から無罪を主張していましたが、2022年2月までおよそ1年間勾留されたということです。
検察側は裁判で、男性が防犯カメラに映っていた犯人の体型や服装に似ていたほか、遺留品の靴の汗のDNA型に男性のものが含まれていたなどと主張しました。
一方、弁護側は防犯カメラに映る犯人が身に着けていた手袋やペンライトを男性が持っていなかったと指摘し、DNA型は不詳な型が大半で男性とは別人のものだと反論したということです。
富山地方裁判所は7月8日、「被告人が犯人と証明するに足りる証拠がない」として無罪判決を言い渡しました。その後、検察が控訴しなかったため判決が確定しました。
富山地検の恒川一宇次席検事は「判決内容を詳細かつ慎重に検討した結果、原審の判断を覆すのは困難だと認められたので控訴しないこととした」とコメントしました。また県警察本部刑事部捜査第一課の大坂裕一次席は、「個別の裁判の結果にコメントすべき立場にない」としています。