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今年から“特別警報”級の情報が追加…「国民的な社会問題」の花粉症に、情報を上手に活用して対策を【天気のミカタ】

2024年2月9日 14:09
今年から“特別警報”級の情報が追加…「国民的な社会問題」の花粉症に、情報を上手に活用して対策を【天気のミカタ】

来週は一気に気温が上昇し、春めいてくる見通しで、そうなると心配なのが花粉シーズンの本格化です。そして日々、天気予報では、花粉情報が伝えられる時期にもなってきていますが、その花粉情報について、今年から少し変化することがあります。

花粉飛散状況の調査は、スライドガラスの上に落ちてきたスギ・ヒノキの花粉を顕微鏡で観測する方法で行われています。そして、そのスライドガラスに落ちてきた花粉の数に応じて、花粉の飛散量には「少ない」「やや多い」「多い」「非常に多い」のランクで情報提供されてきました。

しかし、近年はひと昔前に比べて花粉の飛散量が増加し、去年は県内では観測史上最多の飛散量となりました。花粉の飛散量が増えるにつれ、花粉症の患者も増え、日本政府は「花粉症は国民的な社会問題」と位置づけ、花粉症対策に本腰を入れ始めています。

この対策の一環で日本花粉学会では、花粉の大量飛散への警戒を呼びかけるための方法として、花粉の飛散量で「非常に多い」のさらに上、「極めて多い」ランクを追加した5つのランクでの花粉情報を標準とすることを決定しました。

この日本花粉学会の方針に基づいて、KRY山口放送でお伝えする花粉情報も、今シーズンからは極端な大量飛散が見込まれる際は、「極めて多い」という表現を使用していきます。この「極めて多い」という情報が出てきたときには、花粉飛散の”特別警報”、という心構えで、最大限の対策でしのいで頂きたいと思います。

また、その花粉症対策に少しでも手助けになれば、と思い、山口放送のスタジオ棟「クリエイティブセンター」の屋上には、今年も民間気象会社ウェザーニューズが開発した、自動花粉観測機「ポールンロボ」を設置しました。

ポールンロボは空気中に漂う花粉を吸い込み、機械が自動的に花粉をカウントします。スギやヒノキなどの花粉の種類の判別できませんが、人手がかからず、また、1時間ごとに小刻みに花粉の量を計測するため、今、どれくらいの花粉が飛んでいるのかを、素早く知ることができます。

山口放送のほかにも県内各地のウェザーニュース会員によってポールンロボでの花粉観測が行われ、1時間ごとの細かい観測データは、観測データはウェザーニュースのホームページで、リアルタイムで確認できます。

花粉症の症状がなくなるわけではありませんが、例えば、観測データを踏まえて、お散歩やジョギングなどは、花粉の少ない朝に取り組んだり、花粉が多い昼間はよりシッカリとした防御策を行う、といった具合に花粉との向き合い方を考えることに、データを活用して頂けたら、と思います。

様々な情報を駆使して、少しでも花粉シーズンを上手に乗り切っていきましょう。

(KRY山口放送 気象予報士 山本昇治)