藤井貴彦の「いま、ここから」 “なりわい復活”にむけて 人々つなぐ能登のカフェオーナー
newsZEROののキャスターを務める藤井貴彦さんが毎月、能登の被災地の現状などを伝える「いま、ここから」。今年度は“なりわい”をテーマに、再建や地域への思い、未来像などを伺います。今回は、能登半島の最先端で地域とその外とをつなごうと奮闘する石川県珠洲市の飲食店です。
「私はいま、珠洲市の狼煙町というところに来ています。後ろには灯台があるんですが、禄剛埼灯台といいまして、能登半島地震で灯台の機能が損傷し、影響を受けたということです」
能登半島の最先端、海と山に囲まれた狼煙町。伝統的な建築様式の建物が残る人口150人ほどの小さな町です。
藤井 貴彦 さん:
「狼煙町の高台にきています。奥には海が見えるんですが、手前に視線を落としてみますと、他の地域と比べて倒壊している建物が少ないということがよくわかります」
ただ、町中では、災害の爪痕がいたるところに… 狼煙漁港は地震による隆起や津波の被害を受けました。
いまの町の現状を地元の区長に伺いました。
藤井 貴彦 さん:
「ここは1.5メートルぐらい上がってますよね、ずっと」
狼煙町第一区・糸矢 敏夫 区長:
「仮に船着き場をあそこ削ってつくってもらった」
藤井 貴彦 さん:
「ちなみに今、漁はできてないんですか」
糸矢 敏夫 区長:
「できてませんね。1年何か月」
藤井 貴彦 さん:
「漁師さんはどうやって生活されてるんですか」
糸矢 敏夫 区長:
「漁師さんは、だから全く収入なしで、いまは他の仕事をしたり」
町には観光スポットの灯台もあり、多くの人が訪れていましたが、区長の糸矢敏夫さんは、なりわいが復活しないとそうした観光の回復も難しいと話します。
さらに…
糸矢 敏夫 区長:
「そこが川なんですよ。この川から向こう側の集落20世帯ぐらいがあったがのが、今残っている世帯は1軒だけ。あれもあれも半壊の家屋なんやけど」
藤井 貴彦 さん:
「あの辺には家があったんですね」
糸矢 敏夫 区長:
「ずっとあったんです。その川からほんとうにざ~っと。家はもうほぼ全て解体されました」
それでも、仮設住宅ができ、地域交流の場となる新たな施設の建設が進むなど、この地に戻ってくる人も多いといいます。