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地震から10日後に避難所でのプロポーズ 能登の花嫁 涙の晴れ姿

2024年4月3日 18:39
地震から10日後に避難所でのプロポーズ 能登の花嫁 涙の晴れ姿

先月24日、金沢市で新郎新婦や夫婦を華やかな衣装で彩るショーが開かれました。

華やかな柄が印象的な加賀友禅の着物。
帯をしめると…洋装のドレスと着物がコラボした、「和装ドレス」の完成です。
この日、開かれたのは、白山市の着付け教室が企画した「和装ドレス」のショー。
”震災後のいまだからこそ笑顔の時間を過ごしてほしい”と無償で支援を行いました。

出演者のなかには…
特別な思いで参加した「能登の花嫁」がいました。


北濱稜人さんと妻の美稀さん。
2人は今年夏、結婚式を挙げようと、計画を立てていました。しかし…。

北濱稜人さん:
「地震で家も住める状況じゃないので、そっちを先になんとかして、2人で生活できるようになってからって考えています」

延期することに決めました。

蛸島町の漁師の家に生まれた稜人さん。
元日の地震で実家は半壊し、大きな被害を受けました。

能登町の実家にいた美稀さんも…

美稀さん:
「飛び起きてあんまり記憶にない。慌てて階段降りてきたことだけ覚えている。津波が来るってことだったから高台にのぼって上着とかも着ず寒いなかその場で待っとった」

2人が再会できたのは、地震から10日ほど経ってからでした。
そのとき、稜人さんが美稀さんのいる避難所へ向かい、プロポーズ。

稜人さん:
「こういう状況だけど結婚しようって」

交際してまもなく1年となる2月に入籍しました。
その後、和装ドレスショーの開催を知り、思い出作りのために出演することを決めました。

美稀さん:
「今年は着れんって思っていたからこういう機会があってうれしい」

そして迎えた当日。
ショーの本番を前に、和装ドレスに着替える美稀さん。

美稀さん:
「かわいい」
(Q.気持ちの部分はどうですか)
「気持ちの部分?すごい緊張しとる。がんばります」

今回、出演するのは、8組の夫婦たち。
それぞれの思いを胸に鮮やかな和装ドレスで登場します。

「最後は能登の花嫁 珠洲市の北濱稜人さんと美稀さんです」

ショーの最後を飾ったのは、2人でした。

美稀さん:
「とても緊張しています。1月10日に私、誕生日で…」
「誕生日の日に私のいる避難所まで会いに来てくれて結婚指輪を持ってプロポーズをしてくれて…うれしかったです」

稜人さんも、地元の復興を願い、おばあちゃんが作ってくれた大漁旗の”どてら”に袖を通しました。

稜人さん:
「妻を大切にして仕事も復興も頑張っていきたいと思います」

美稀さん:
「これからまだ大変だと思うけど2人で乗り越えて頑張っていきたいです」