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高校生自殺裁判 県と遺族が和解 自殺から10年…母親「終着点」 県の教育長「改めて謝罪」

2024年6月25日 18:57
高校生自殺裁判 県と遺族が和解 自殺から10年…母親「終着点」 県の教育長「改めて謝罪」

 2014年、県立高校に通う男子生徒が自殺した問題で、学校が自殺を避けるための適切な対応を怠ったとして、遺族が県に対し損害賠償を求めていた裁判です。25日、鹿児島地裁で遺族と県の和解が成立しました。

 この裁判は2014年に自殺した県立高校に通う当時1年生だった男子生徒「拓海君」の遺族が学校が自殺を避けるための義務を怠ったと主張し、県に対し約4500万円の損害賠償を求めていたものです。

 2024年3月鹿児島地裁が県と遺族に和解を勧告。和解案では、県に対しては遺族への謝罪や再発防止に向けた取り組みを約束することなどが。一方、遺族に対しては損害賠償の請求を放棄することが盛り込まれていました。

 そして、25日。鹿児島地裁で和解案通り遺族側と県側の和解が成立。遺族と弁護団が会見を開きました。

(拓海君の母(60代))
「10年必要だったのか。10年前に悩みを聞いていたならばもう少し安らかな10年間を迎えることができたのにと思う」

 鹿児島地裁は和解勧告書の中で「拓海さんのスリッパが隠された時に学校が適切に対応したり、3日間連続で学校を欠席していたことを保護者に伝えていれば拓海さんの死を食い止めることができていたと考えられる」と結論付けました。

(拓海君の母(60代))
「全て拓海のことを踏まえたことを引用してあっておだやかな気持ちになれた。もう戦うのはやめてもいいのではないか?ここが終着点なのかなと思い和解を受け入れた」

 拓海君の母親は、「教育現場での研修などを生かし二度と繰り返してほしくない」と話しました。県の地頭所恵教育長は「重大な事態を防げなかったことについて生徒ご家族に対し、改めて謝罪致します。今後も再発防止に全力で取り組んでまいります」とコメントしています。

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