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遮断機・警報機なし踏切 鹿児島県内に43か所 10年間で死亡事故2件 安全性を理由に廃止の踏切も

2024年4月8日 19:43
遮断機・警報機なし踏切 鹿児島県内に43か所 10年間で死亡事故2件 安全性を理由に廃止の踏切も

 群馬県の踏切で6日、9歳の女の子が列車にはねられ死亡しました。遮断機や警報機は設置されていませんでした。県内にも同様の踏切が43箇所あり、過去10年間で死亡事故が2件発生しています。
一方、安全の確保を理由に今年2月、廃止された踏切も。県内の状況を取材しました。

 群馬県高崎市の踏切で6日、近くに住む小学生の渋沢姫星愛さん(9)が列車にはねられ死亡しました。姫星愛さんは犬の散歩中で踏切に遮断機や警報機は設置されていませんでした。

 現在、国内で使われている踏切には3つの種類があります。警報機と遮断機、両方がある第1種踏切。警報機はありますが、遮断機はない第3種踏切。警報機も遮断機もない第4種踏切。今回の事故は第4種踏切で、国内には2408か所同様の踏切があるということです。

 県内では第4種踏切が43箇所あり、国の運輸安全委員会の調査対象となった死亡事故がこの10年間で2件起きています。
 国は鉄道会社や自治体に向け、事故の危険性が高い第4種踏切の廃止を促しています。しかし、遮断機や警報機を設置する費用の問題や生活道として利用する住民からの反対により、廃止は進んでいないのが現状です。

(磯脇琢磨アナウンサー)
「鹿児島市武です。こちらJR鹿児島本線の線路が伸びていて近くには保育園さらに奥には武小学校もある。こちら階段を上った先にはこれまで踏切がありましたが今年2月廃止となった」

 鹿児島市武と上荒田町の境にあったJR鹿児島本線の「第2乾燥場踏切」。ここは警報機はあるものの遮断機はない「第3種踏切」で、近くの武小学校の通学路としては認められていません。一方で地元の住民には頻繁に利用されていましたが、安全の確保を理由に今年2月、廃止されました。

(地元の親子)
「通学路よりも近かったのですごく便利だったが危ないので仕方ないと思った」

(地元の親子)
「やっぱり見えないところで子供一人で行くとなると閉鎖のほうが安心」

 踏切を廃止するにあたり、地元の住民からはう回路の整備を求める声が上がったということです。

(武町内会 木之下 正人会長(76))
「廃止に伴う説明会を市とJRがしたがその時に廃止するにあたってアンダーパスが汚れて汚いし、暗いという意見があり危ないのできれいにしてほしい、手すりをつけてほしいと要望があった」

 踏切事故のリスクを少しでも減らすため、行政や地域の住民などが一体となった取り組みが求められています。