<政治学の専門家がみた衆院選>”立憲”が宮城5選挙区のうち4議席獲得 『”立憲”の争点の絞り方』・『”自民”の選挙戦略』が影響
立憲民主党が、宮城5選挙区のうち4議席を獲得した今回の衆院選。
その要因について、政治学の専門家は「立憲の争点の絞り方」、そして「自民党の選挙戦略」が影響したと捉えている。
政治学が専門の東北大学・河村准教授。
まず、宮城5つの小選挙区のうち4つを立憲民主党が獲得した要因について、次のように指摘した。
政治学が専門・東北大学大学院 河村和徳准教授
「(立憲民主党が)選挙の争点を『政治とカネ』の問題に絞ったことが大きい。政策的にはそんなに差異がないから、『政治とカネ』の問題をきちんとやったかやらないか、自民党に対してきちんとやってないから罰を下すかどうか、これが立憲民主党にプラスに働いた」
また、それと同時に、自民の選挙戦略がうまく機能しなかったと分析している。
政治学が専門・東北大学大学院 河村和徳准教授
「新型コロナの前と後で、選挙の組織戦に対するウェイトを変えなきゃいけなかったのに変えきれなかったところがある」
新型コロナをきっかけ集会などが減り、これまで自民の強みだった『組織力』が弱まる一方、無党派層への訴求やネット戦略が進まなかったとみている。
政治学が専門・東北大学大学院 河村和徳准教授
「今までのやり方(組織力)を、もっと戻していくために頑張らなきゃいけない。加えて、別の方法を模索していかなくてはいけない」
自民・公明で過半数割れとなった今回の衆院選。
今後の政治の進め方も大きく変わってくるとみている。
政治学が専門・東北大学大学院 河村和徳准教授
「これまでのように、自民一強だから無理やり話を通す。一強を通じて無理やり通すって 手法はとれなくなってくるし、少数の声に対してどう配慮していくのかは政権運営上のカギになってくる。野党とここまでは合意できるけど、ここから先は議論を進めるべきだという進め方の丁寧さを、これからは求められる」