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【「縁結び」で町おこし】ふるさと宮城・大和町に賑わい生み出そうと立ち上がった大学生

2024年3月28日 21:00
【「縁結び」で町おこし】ふるさと宮城・大和町に賑わい生み出そうと立ち上がった大学生

3月は、卒業シーズン。

大学卒業を前に、一人の学生が故郷の宮城・大和町に賑わいを生み出そうと立ち上がった。
キーワードは「縁結びで町おこし」。

宮城県のほぼ真ん中に位置する大和町。
七ツ森や船形山など恵まれた自然と、古(いにしえ)からの歴史と文化が豊かな町だ。

この魅力を、多くの人に伝えたいと立ち上がった一人の大学生がいる。

大和町出身の山田望未さんだ。
山田さんが始めた町おこしとはー。

山田望未さん
「ななつもり恋つもるプロジェクトといいます」

このプロジェクトは、町内の飲食店や施設などの利用者にハートや星などをかたどったアクセサリー、その名も「思い出の実」を配布。
これを、ブドウ畑を一望し結婚式場としても利用されるスポットに結び付けて「縁結び」を願う。

飲食店を中心に、14軒が参加するこのプロジェクト。
七ツ森の山間にたたずむ蕎麦店も、参加店舗の1つ。
ソバの作付面積が宮城県内一という大和町内で栽培された打ちたての蕎麦。

町内で育てられた「伊達イワナ」をつかった海鮮丼のセットが、店のイチオシだ。

白壁アナウンサー試食リポート
「(イワナの)身がしっとりで脂も乗っていておいしいです。川魚特有のクセもない。甘みがどんどん出てきます」

地元の食材にこだわった食事を堪能して「思い出の実」をゲット。

これまで130人ほどが参加したというこのプロジェクト。
きっかけは、山田さんが大学生活で体験したある出来事だ。

山田望未さん
「大学進学を機に山形に引っ越して、自己紹介の中で宮城県大和町出身ですと言ったら周りの子が全然分かってくれなくて、それがすごく寂しいというか悔しくて」

『故郷・大和町を多くの人に知ってもらいたいー』。
卒業研究としてプロジェクトに取り組み始めた山田さん。
目を付けたのは、地域に根付く「縁結びの伝統行事」だった。

山田望未さん
「大和町に元々『島田飴まつり』という縁結びで全国的に有名なお祭りがあるんですけれど、そこから着想を得て、『縁結びの町』として大和町を広げていきたいという思いで縁結びに着目しました」

江戸時代から続くとされる縁結びの伝統行事『島田飴まつり』。
吉岡八幡神社で販売される島田飴は良縁に恵まれる縁起物として、全国から人気を集めている。

山田さんはクラウドファンディングで資金を集め、参加店には自ら出向き協力を呼びかけた。

里山Dining七ツ母里・森 義孝さん
「(Qこういう若い人が動いてくれるのは頼もしいですよね?)頼もしいですよ、本当に」

山田望未さん
「(Qそういわれているけれど、どう?)とても嬉しいですね。町の人の声が、私の原動力になっているなと思います」

山田さんのプロジェクトに賛同するのは、飲食店だけではない。

白壁アナウンサー)「こちらではどんな体験で、『思い出の実』がもらえるんですか?」
山田望未さん)  「陶芸体験をして、その様子をSNSにアップしていただくとゲットできます」

大和町内の土を使って自分だけの焼き物づくりを体験できるこの施設。

鉄や銅など様々な成分を含んだ土が生み出す複雑な色合いが魅力の『台ヶ森焼』だ。

白壁アナウンサー体験
「口が小さくなってきましたね」「だんだん縮んでいきます」

開始から1時間ほどで。

白壁アナウンサー
「できました。七ツ森の自然に囲まれた中で陶芸体験、心が落ち着きますし楽しかったです。大和町ならではの体験です」

大和町の伝統工芸に触れ、「思い出の実」をゲット。

集めた「思い出の実」を結び付ける場所というのが、2017年にオープンしたワイナリー併設のレストラン。
秋になれば広大なブドウ畑が目の前に広がり、景色はプロポーズにふさわしい場所として「恋人の聖地」に選ばれている。

山田望未さん)  「ここが縁結びスポットです」
白壁アナウンサー)「ななつもり恋つもる。カラフルなかわいらしい思い出の実がいっぱい成っていますね」
山田望未さん)  「どんどん増えていてとても嬉しいです」

阿部 寿文さん
「毎週末、カップルだけでなくご家族の方がたくさんいらしゃっています。点ではなくて線で、大和町の魅力が発信できることは、とても素晴らしいと思います」

縁結びをテーマに、1人の大学生が始めた地域おこしプロジェクト。

山田望未さん)
「たくさんの方が大和町に来てくれるきっかけになったり、将来は大和町の代名詞となるようなプロジェクトになっていったらいいなと思っています」

ふるさとへの恩返しを込めたアイデアは、これから多くの思い出を実らせていく。