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【ゲームの舞台は「原発被害」受けた福島県】スマートフォン用ゲーム開発に情熱注ぐ大学生  開発に込めた想いに迫る

2024年1月30日 19:33
【ゲームの舞台は「原発被害」受けた福島県】スマートフォン用ゲーム開発に情熱注ぐ大学生  開発に込めた想いに迫る

「スマートフォン用のゲーム開発」に情熱を注ぐ大学生を、取材した。

ゲームの舞台は原発被害を受けた福島県内の市町村。そこに込めた想いに迫った。

ミッションを次々クリアしながら村を開拓するロールプレイングゲーム。

緑豊かで花が咲き誇る海沿いのエリアで、主人公が様々な体験を通して成長していく物語。

ゲームの舞台の一つが、福島県浪江町だ。

東北大学2年生・宮崎翔太郎さん(20)
「復興って言っても色んな方法が あると思うんですけど人が、人が楽しめるようなエンタメを 作りたいなと思った」

開発したのは東北大学の学生。工学部2年生の宮崎翔太郎さん(20)だ。

Q今は何を作業しているんですか?
宮崎さん「ゲームのリリースがもう少しなのでそれに向けてデバッグ作業を行っています」

この日は、仲間と共にまもなくに迫ったスマートフォン用ゲームのリリースに向けて、修正作業を行っていた。

宮崎さん「このゲーム自体、福島被災12市町村を舞台にした『地方創成ゲーム12RPG』と名付けました」

ゲームで目指すのは地方創生。
必要な資金は、クラウドファンディングなどで募っている。

ゲームで登場するスポットには、浪江町に実在する公園を参考にしたものもある。

宮崎さんは、山口県の出身。

大学入学してまもなく浪江町を訪れた際に、住民から聞いた言葉がゲーム制作への決意を後押しした。

宮崎さん「昔のようなコミュニティーを戻していけたら良いなという言葉。そういう繋がりを大事にしてきた人が、一瞬で奪われたようなことだったので、その役に立てばいいなと思っています」

いまも西側を中心に「帰還困難区域」が残る浪江町。

震災前は、人口は2万1000人だったが、現在実際に暮らしている人は2100人ほどだ。

「失礼しますよろしくお願いします」

宮崎さんがこの日訪れたのは、福島県浜通りの活性化や産業集積に取り組む団体。
ゲーム開発を進めるうえでアドバイスを受けている。

<福島イノベーション・コースト構想推進機構>交流促進部 植田誠部長
「前回オンラインで打ち合わせさせていただいた時に見せてもらったアプリはどんな状況?」
宮崎さん
「今リリース前の段階で、バグを発見して直して…」
植田部長
「(福島)第一原発に近い市町村だと、特に人の戻りが少なかったり復興の道半ば。そういった所に関心を持っていただいて、ゲームをやる若い世代の人たちが浪江町を知って実際に足を運んで頂くきっかけになるんじゃないかと期待している」

ゲームのストーリーの多くは、宮崎さんが浪江町で実際に感じたことが基になっている。

主人公が漁港で釣りをするシーンも、その一つだ。

宮崎さん「漁港の防波堤にたくさん魚の絵が描いてあった。色んな人がここにきてたくさん魚を書いていって、それがすごく魅力的だった。この街の良さは、ここにきて初めて知ったものが多くあった。ネットだけの情報ではなくて現地に足を運んだことが良かった」

福島復興への願いが詰まったスマホゲームは、早ければ2月にもリリース予定だ。

宮崎さん「ゲームの中で、昔ながらの地元の人しか知らない名所も沢山載せているので、それが今どんな風なのか見てもらって、少しでも昔の記憶が蘇ったり帰ってみようかなということが あったらいい」