実質的な影響は「限定的」?マイナス金利政策解除で専門家は
日本銀行 植田和男総裁
「マイナス金利政策など大規模な金融政策はその役割を果たした。」
日銀は19日、銀行の融資や投資を活性化させ、お金を使いやすい環境にするために2016年から続けてきた「マイナス金利政策」の解除を決めた。
世界的なインフレを受けて、物価上昇率が目標の2%を超えたことに加え、今回の春闘で高い水準の賃上げ率が明らかとなったことが要因として挙げられている。
街の人
「経済は気なので、気持ちが全体的に上がっていく という感じを受ければお金が回っていくんじゃないか。だから金利の引き上げは非常にいいことだと思います」
「住宅ローンは組んでないですが、これから組もうと思っている中で、いまどうしようかな。変動じゃなくて固定金利にしようかなと考えている。ちょっと焦ってるような感じ」
「経済回復の先行きがないまま施策だけが先行するのは不穏ではある」
金利が上がることで心配されるのは、住宅ローンの利用者や金融機関から融資を受ける中小企業の負担増加。
七十七リサーチ&コンサルティング田口庸友さん
「借り入れの多い企業であったり住宅ローンを抱えてる世帯が対象になっているんですがただ影響の大きさや出てくる時期については全体としてはまだ先であったり額が小さかったりということで限定的と言えると思います。」
田口さんによると、例えば住宅ローンでは多くの金融機関が「金利が変わっても5年間は毎月の返済額は変わらない」というルールを取り入れているため、改めて契約内容を確認することを薦めています。
七十七リサーチ&コンサルティング田口庸友さん
「例えば変動金利で借りていても返済額の見直しがもっと先になるというルールが決められていたり。家計にとっての影響は追加の負担は軽微ではないかと思います」
そして、利上げによる実質的な影響は「限定的」とする一方で田口さんが最も大きい影響と指摘するのは“心理面”です。
七十七リサーチ&コンサルティング田口庸友さん
「かれこれ四半世紀くらい非常に低金利が続いていたと。利上げも17年ぶりということですから、利上げに対してそもそも 不安感がある、先行きの見通しに対する不安感がある企業であれば設備投資や賃上げ、かけられる消費を抑制しようという方向に働く可能性がある」