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<注目>"値上げの秋"…独自路線で消費者支える”スーパーマーケット”(宮城)

2024年10月11日 13:00
<注目>"値上げの秋"…独自路線で消費者支える”スーパーマーケット”(宮城)

食欲の秋。食卓が楽しくなる季節ですが、悩みのタネは「値上げの秋」。

街の人
「(会計が)2000~3000円。ちょっとしか買ってないのに(かかる)。アイスがちょっと(値段)上がった」
「安そうなスーパーを選んで行ったり、こっちの方が安いなと思ったら、次ここに行って買う等しています」

消費者がそれぞれに工夫を凝らすなか、スーパーマーケットもたゆまぬ努力を重ねている。

福盛田アナウンサー)見てください。キャベツ一個なんと107円(税込)!安い!

10月に入りペットボトル飲料やお菓子などを中心に、今年最大となる「2911品目」が値上げとなった。

仕入れ価格や人件費の高騰に頭を悩ませがらも、独自の路線で消費者を支えるスーパーマーケットの現状に注目する。

まず、私が注目したのは、全国に1000店舗以上展開する「業務スーパー」。
その名の通り、飲食店向けとして大容量の食材がラインナップされたお店。
例えば、ポテトサラダは1キロ375円、から揚げは1キロ645円と、〝キロ単位〟の商品が並ぶ。


「(Q業務スーパーに来る理由は?)安いからですね」
「いっぱい入ってて安い。助かりますね今色々高いので」

福盛田アナウンサーリポート
「業務スーパーが安く商品を提供できる理由の一つがプライベートブランド、つまり業務スーパーだけのオリジナル商品に理由があります」

業務スーパー
「問屋を通さないで、本当に完全に自社で製造していますので、かなり価格を抑えて製造することができています」

ラインナップするオリジナル商品はなんと2000種類以上。

そして、それを手がける工場の1つが、実は宮城・亘理町内にある。
24時間体制で34種類、1日およそ80トンもの商品を製造するこちらの工場。

福盛田アナ)香辛料の良い香りがしますけれど、こちらでは何を作ってるんですか?
業務スーパー)大人の大盛カレーという人気商品のカレーを作っています

その量は、1日になんと30万パック。

福盛田アナ)カレー専門なんですか?
業務スーパー)カレーだけではなくミートソースや麻婆豆腐と言ったほかの商品アイテムを作ることができます
福盛田アナ)同じ機械で、具材変えるだけでいろんな商品を作れるわけですね?
業務スーパー)そういった部分でコスト削減にも繋げることができています

さらにー。
業務スーパー)無人で大量のお餅の製品が作れるラインになっています

子どもにも人気というこの商品は、1日あたり1万5千袋を製造。

欠かせない安全管理面では、効率的な生産体制を妨げない方法をとっているという。

業務スーパー)金属探知機では検出できない異物を確認し、ラインを止めずに連続で確認して検出することができます

食の安全を守りながら、独自の開発力で食卓を支えること。
これが、消費者から支持を集める理由なのかもしれない。

一方、宮城・多賀城市内にある「ミラックマツヤ」。

福盛田アナ)見てくださいキャベツ一個なんと107円(税込)!!安い!

創業76年、店舗はここ1つだけという、いわゆるローカルスーパーだ。


「(Qこのスーパーの魅力ってどういうところですか?)安いところですね」
「一番安いんじゃないかな、この辺では」

野菜や肉、魚などはもちろんのこと、人気を集めるのが惣菜。
なんと250円という弁当は、開店後すぐに完売するほどの人気だ。

福盛田アナ)こちらには、あなたの笑顔が一番の儲けですと書かれています

店内に貼りだされているのは、従業員が手書きした客へのメッセージ。
価格はもちろんのこと、この遊び心も利用客に支持される理由になっているようだ。

ミラックマツヤ・小野一喜世社長(51)
「少しでも楽しい買い物ができればいいのかな。そのお手伝いができればなと思って。腹を切ってお客さんの足代替わりになれば良いなと思って出している商品も多いので」

語るのは、ミラックマツヤ3代目の小野社長。
来てくれる客のためにと、特に力を入れているのが仕入れ。
今回、その現場に同行させてもらった。

福盛田アナ)只今の時刻は午前5時。どんな仕入れが行われているのか市場にやってきました

小野社長がいたのは、宮城・東松島市内にある青果市場。
毎朝、社長自ら仕入れを行っている。

ミラックマツヤ・小野社長
「とにかく毎朝通って顔を合わせて状況を見て、頼まれるものがあれば頑張って売るし、逆にない時でも買ってそういう風にお付き合いすれば、集めてくれるのでそれがすごく助かってます。
(Q 今日一番の仕入れは?)バナナですね。今日絶対安いです。通常の半値近いと思いますね」

大切なのは値切ることではなく、需要と供給から仕入れるタイミングを逃さないこと。それを支える信頼関係が結ばれている。

市場の担当者)今日だけ価格で!スペシャルプライスで
小野社長)何ケースぐらいいただける?
市場の担当者)30~40ケースはOK
小野社長)大丈夫?本当に大丈夫?」

福盛田アナ)いつも仕入れの時は一生懸命来られるんですか?
市場の担当者)来てます来てます、毎日朝から連絡来ます、鳴りっぱなしです。社長の性格分かっているんで阿吽の呼吸で

この日は、2か所の市場を回って、店に戻った小野社長。
品出しの作業も自ら行う

ミラックマツヤ・小野社長
「もう51歳なんで、さすがに年齢は隠せないですね…」

箱のまま商品を並べるのは、創業当時から変わらないこの店のスタイル。
従業員の手間を省き、少しでも効率化を図るためだという。

ミラックマツヤ・小野社長
「お客さんが、とにかく1つでもいいからびっくりしてもらえるものを出したいなと思ってやっているので。お客さんが、最後会計が終わった後ににこっとわらっていただければ、きょうの商売は良かったかなとそれだけです」

方法は店によって様々だが、共通する目的はお客さんの食卓を支えること。
スーパーの裏側には、それぞれの工夫があった。