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「やっと納得できる判決」優生保護訴訟 国の控訴棄却<仙台高裁>

2023年10月25日 19:45
「やっと納得できる判決」優生保護訴訟 国の控訴棄却<仙台高裁>

午後3時すぎ、原告団は裁判所の前で「勝訴」の文字を大きく掲げた。
一審に続き、仙台高裁が国に損害賠償を命じる判断を下した。

この裁判は宮城県内に住む千葉広和さん(75)と男性(80代)が、旧優生保護法のもとで不妊手術を強いられたのは憲法違反であるなどとして、国に対してそれぞれ3300万円の損害賠償を求めていたもの。
今年3月、一審の仙台地裁は「旧優生保護法が違憲」とした上で、国に賠償を命じる判断を下した。
これに対し、国は不法行為から20年が経過すると賠償請求権が消滅する「除斥期間」の適用を主張して控訴していた。

そして仙台高裁の小林久起裁判長は「旧優生保護法が憲法に違反していることは明確」としたうえで、「重大な人権侵害を進めた国が20年の経過による損害賠償請求権の消滅を主張することは権利の濫用にあたる」として控訴を棄却し、国に対し1650万円ずつ支払うよう命じた。



【「心からうれしかった」やっと納得できる判決】

勝訴という結果を受け、原告団は会見の場で喜びを語った。

<原告・千葉 広和さん(75)>
「やっとたどり着いたという気持ちです。勝訴を心からうれしく思います。ありがとうございました」

<原告・男性(80代)>
「心からうれしかった。待っていたかいがあった。」

<旧優生保護法仙台弁護団 新里 宏二 団長>
「2018年の提訴からもうずいぶん経ったなと思いながら、やっと納得ができる判決をいただいたのかなと感無量の思いでございます。優生手術被害の全体解決に大きく踏み出すのではないか」

旧優生保護法をめぐる裁判で、高裁が国に賠償を命じるのは全国で5例目。
今回の高裁判決を受けて、国は「判決内容を精査して関係省庁と協議した上で適切に対応してまいりたい」とコメントしている。