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名曲「幸せなら手をたたこう」誕生秘話 国境を越えた和解と友情の物語が漫画に《長崎》

2024年1月18日 14:01
名曲「幸せなら手をたたこう」誕生秘話 国境を越えた和解と友情の物語が漫画に《長崎》

歌手の坂本九さんが歌った名曲「幸せなら手をたたこう」の誕生秘話が漫画になりました。

国境を越えた「和解」と「友情」の物語です。

▼世代を超え歌い継がれる「名曲」の誕生秘話が漫画に

長崎市の書店などで先月から先行販売されている、1冊の漫画。

「幸せなら手をたたこう 誕生物語」です。

坂本九さんが1964年に歌ったことで知られ、今も世代を超えて歌い継がれている「名曲」の誕生秘話がわかりやすく描かれています。

作者は、長崎市の漫画家 西岡由香さん。

キリシタンや被爆者の証言などをテーマに、作品を手掛けています。

(温画家 西岡由香さん)
「悲惨な歴史を踏まえながら、幸せを作るために行動しようというメッセージを漫画を通して伝えたい」

主人公は歌詞を手がけた早稲田大学名誉教授、現在90歳の木村利人さん。

少年時代から歌が世に出るまでの実話がもとになっていて、漫画で発表されるのは初めてです。

(歌詞を手がけた 木村利人さん)
「自分の想像力を働かせるという意味では、やっぱり文字の本とかテレビで瞬間的に流れてくる映像とまた違った効果が出てくると思う。僕としては、大変うれしい」

▼終戦後フィリピンでの体験によりあの名曲が誕生

名曲誕生のきっかけは終戦後の1959年、大学生だった木村さんが国際ボランティアとして訪れたフィリピンでの体験でした。

日本の占領下だった戦時中のフィリピンでは、約100万人が日本軍の犠牲となり、戦後14年経っても反日感情は強く冷たい視線が・・・。

木村さんは、戦時中の話を詳しく聞きます。

▼知らなかった戦争の真実 態度で示そうと現地で伝えた「戦争放棄」の精神

(歌詞を手がけた 木村利人さん)
「フィリピンの人たちをなぶりものにし殺した。無知の恐ろしさというか自分自身本当に反省した」

そんなある日、聖書の一節から自分の思いは「態度でしめす」という気付きを得ます。

すぐに行動に移した木村さん。すると・・・。

(歌詞を手がけた 木村利人さん)
「地元の放送局があって、再び戦争しないと憲法の中で誓ったことを話したということがラジオで流れた」

新しい憲法がうたう「戦争放棄」の精神と素直な気持ちを伝えました。

その後も「態度で示す」ことを続け、フィリピンの人たちと「和解」へ。

▼現地で歌われていた民謡に乗せた歌詞は「態度で示そう」

木村さんは平和を願い、現地で歌われていた民謡のメロディにのせて「態度で示そう」と詞を書きました。

(歌詞を手がけた 木村利人さん)
「平和という目標に向かって、一つになれるようなきっかけにこの歌がなればと思う」

歌詞の意味を知った人たちが自発的に広め、5年後、坂本九さんによって全国 、そして世界へ発信されました。

(温画家 西岡由香さん)
「ウクライナにしてもパレスチナにしても、戦火が世界中に広まっているけど、今こそいろんな人たちに知ってもらいたい歌だと思った」

漫画「幸せなら手をたたこう誕生物語」は、今月下旬から全国の書店でも販売されます。