カジノ含むIR 長崎県の計画"不認定"を国が正式発表 知事「国との認識の差がある」《長崎》
佐世保市のハウステンボスに誘致を進めるカジノ含む統合型リゾート施設=IRについて、国は、県の区域整備計画を認定しないことを27日、正式に発表しました。資金調達の不確実性などを理由としています。関係者からは、驚きと落胆の声が聞かれました。
(大石知事)
「国へ認定申請を行ったIRの区域整備計画について、本日の11時59分、要求基準に適合しないため認定を行わないこととするという審査結果が発表された。長年にわたり官民が力を合わせて取り組んできたプロジェクト。それだけに今回の審査結果に対しては極めて遺憾に思っている」
「地方創生の起爆剤」として県が2014年からハウステンボスへの誘致を進めてきたIR。
2018年のIR整備法成立後は国の認定獲得に向けた準備を進め、おととし、「カジノ オーストリアインターナショナル ジャパン」を運営事業者に選定しました。
去年4月に提出した「区域整備計画」では4300億円あまりの資金を調達し、2027年秋頃の開業を目指すとしていました。
ただ、今年4月、大阪の整備計画は認定されたものの長崎の計画は「継続審査」に。
国が設置した委員会が審査を続け今月22日、資金調達や事業の継続的な実施などの面で「認定を行わないとすることが相当」とする見解を示し、国は27日午後県の整備計画を認定しないことを正式に発表しました。
この中では資金調達の面で、一部の出資予定者から資金調達を裏付ける「レター」が提出されていないなど、「今後も出資・融資予定者の変更が生じ得る懸念を払しょくできない」と指摘。
事業実施の面でも「カジノオーストリア」以外の出資予定者の中にIRの設置運営の実績やノウハウがある企業は確認できず、「カジノオーストリア」の出資割合も極めて小さいことなどから「IR事業が適切かつ継続的に実施されると見込まれるだけの根拠に乏しい」としています。
大石知事は、指摘された点については「国との認識の差がある」とし、結果を精査した上で今後の対応を検討したいと話しました。
(大石知事)
「多くのIRプロジェクトで経験を持つ金融機関や専門的アドバイザーの助言をもらいながら国際的な商慣習も踏まえて対応してきた。我々の認識と今回国から示された結果は認識の差があると感じているので、差がはっきりしないと次のことは考えられない。まずは国に不採択の理由について我々が納得ができるような十分な説明を強く求めていきたい」