サークル「ねこぺこ」 ネコの幸せ守る大学生が「野良ネコの殺処分」の解消のため発信したいこと《長崎》
2月22日は「猫の日」。長崎市で地域猫活動に取り組む大学生がいます。
毎日世話をする、その思いとは・・・。
長崎大学 片淵キャンパス。
春休みに入り静かになった学内に、2人の学生の姿がありました。
ある場所に到着すると、続々とネコが集まってきます。
(長崎大学 環境科学科2年 今岡明日美さん)
「このネコはもともとあまり人に慣れていなくて、これだけ近づけるようになったのも最近。あのネコはまだ生まれたばかりで、全然慣れていなくて近づいたら逃げられる」
長崎大学 環境科学科2年 今岡 明日美さん。
キャンパス内に住み着いたネコたちを救おうと、去年6月、地域猫サークル「ねこぺこ」を設立しました。
「地域猫」とは地域で管理されている野良ネコのことで、管理する人たちがルールを設けてエサをやったり、不妊去勢手術も行ったりします。
キャンパスには、15匹あまりのネコがいて「ねこぺこ」の部員約20人が、毎日、交代でエサや水を与えています。
港町で斜面地が多く、ネコにとって住みやすい環境の長崎。
無責任なエサやりなどで繁殖したこともあり、ネコの数は多く、保健所での殺処分数は、全国で5番目に多くなっています。
(長崎大学 環境科学科2年 今岡明日美さん)
「長崎の猫の現状を、いろんな人に知ってもらいたい。なんらかの形で関わってほしい。何ができるのかを多くの人に考えてもらいつつ、猫が多い町だから、猫がかわいいだけじゃなくて、その裏側にある問題を知ってほしい」
V字にカットされた耳は、不妊去勢手術を行った証し。
「ねこぺこ」は これまで、約10匹に行いました。
ただ その思いは、複雑です。
(長崎大学 環境科学科2年 今岡明日美さん)
「人間の手で、数をコントロールすることに賛成できていない一方で、人が捨てて増えたところもある。手術して、それ以上不幸なネコや外で苦しむネコがいないようにしなけらばならない」
春休み期間中も毎日、休まず活動する「ねこぺこ」のメンバー。
この日の担当は、経済学部2年生の永井太陽さんです。
(長崎大学 経済学部2年 永井太陽さん)
「生物が大好きなので、こういうエサをあげる活動は好きでやっている。後輩たちにも知ってもらって、つなげていけたらと」
キャンパスで学ぶ学生には、それぞれにさまざまな考え方があすはず。
活動では、フンのにおいにも注意を払い、こまめに掃除も行います。
そして何より「地域猫活動」への理解を深めたい考えです。
(長崎大学 環境科学科2年 今岡明日美さん)
「いろんな考えを持った人たちが集まっている。猫を増やすんじゃなくて、殺処分することなく、ゆるやかに数を減少させていくという活動。その趣旨をしっかり伝えられたらいい」
活動は始まったばかり。
長崎に暮らすネコの幸せを願い、「ねこぺこ」は発信を続けます。