【気象解説】今週は一気に気温上昇 強烈寒波ピーク去るも…“注意”を
列島に居座っていた強烈寒波は、ようやく峠を越えました。今後は“真冬”の寒さから一転、“春本番”の暖かさになる見込みです。急激な気温上昇に伴う注意点などを気象予報士の木原実さんに聞きました。
■強烈寒波から一転、春本番の陽気に!?
強烈な寒波の影響で、連休最終日の24日(月)も日本海側を中心に広く大雪となりました。23日(日・祝)夜からまとまった雪となった金沢では、平年の約10倍となる30センチの積雪を観測するなど、記録的な大雪となった地域もありましたが、この寒波もようやく収束となりそうです。
上空1500メートル付近の寒気と暖気の様子を見てみると、24日(月)午前9時の時点では「-6℃」の寒気が列島を覆っていますが、その後は次第に抜けていきます。25日(火)夜の時点では日本海に前線を伴った低気圧が発生。その前線に向かって南から暖かな空気が入る影響で西から気温が上昇。さらに日がたつにつれて、後方の暖気が流れ込んでくるため、まるで春本番のような陽気になる見込みです。
一気に春本番の暖かさになる影響で、九州や四国などではスギ花粉が飛び始めます。花粉症の方は早めの対策を心がけてください。東京都心も3月1日(土)、2日(日)は日中20℃近くまで気温が上がり、4月並みの暖かさとなりそうです。また、大雪となった日本海側の山沿いでも今後は晴れる日が多く、雪解けが一気に進む見込みです。
立春後に今季最強の寒波が襲来、その後、天気は一時的に回復。17日(月)から再び強烈な寒波が襲来、積雪増となりました。この時期の雪の特徴としては、雪が降った後、晴れて気温が高い日が続くと、表面がシャーベット状に解け出し、さらにその上に新しく雪が降り積もると、その間に「弱層」と呼ばれる崩れやすい層が作られます。
新たに降り積もった雪の量が多いと、弱層にかかる負荷がより大きくなり、その結果、表層雪崩が起きやすくなっているのが現在の状況です。改めてドカ雪の後に、晴れて気温が上昇した際に心配されるのが雪崩や落雪です。山沿いでは表層雪崩、そして住宅の屋根からの落雪など、除雪作業中の事故に十分な注意が必要です。