イタイイタイ病を小学生が考える「歴史なくさないよう記録に残しておかないといけない」
神通川流域で発生した公害病、イタイイタイ病の風化を防ぐとともに、環境への取り組みを進めようと、小学生を対象にした作文コンクールの表彰式がおととい、富山市で行われました。交流会では、私もコーディネーターとして参加しましたが、小学生がイタイイタイ病と向き合う姿勢や、富山の豊かな自然環境を守るために何を考えているかが垣間見える貴重な時間となりました。
この作文コンクールは「神通川流域カドミウム被害団体連絡協議会」が、イタイイタイ病だけでなく、富山の豊かな自然環境を守る大切さを知ってもらおうと始めたもので今年で7回目です。
今回は、県内42の小学校から寄せられた1091点から、入選者45人と11の小学校が表彰されました。
最優秀賞となった9人のうち高学年部門の3人が交流会に参加しました。
「戦争の起きない世界を作りたい。イ病を学び、その思いが強くなった」
富山市立宮野小学校6年の藤井健輔さんは、「花火から見える戦争とイタイイタイ病」と題した作文を発表しました。
藤井さん「戦争の起きない世界を作りたい。イタイイタイ病を学んだことによってさらにその思いが強くなった。これから先も神通川の花火を見るたびにそのことを思い出すと思うし、この気持ちを大人になっても忘れないでいたい」
藤井さん「学校で資料館に来て本で調べた」
Qどう感じた?
「戦争はしてはいけないと思った。イタイイタイ病があったという歴史をなくさないように記録に残しておかないといけない」
「これからもずっと水とお友達でいたい」
富山市立堀川小学校5年の金川実優さんの「水とお友達」と題した作文です。
金川さん「いたち川や延命地蔵などについて調べてみて、地域の人と水や川の繋がりを感じることができました。私たちは水に恵まれていて水とお友達です。今の私にできることは水を大切に使うことや川を汚さずきれいにすること、これからもずっと水とお友達でいたいです」
金川さん「(石倉町の延命地蔵と湧き水は)車で並んでたりして結構行列でした」
Qその様子を見てどんな場所だと感じましたか?
「地域の人が大切にしている場所だと思った」
沖縄で取材した児童「環境のためにできる人に」
高岡市立野村小学校5年の大浦深結さんの「人と環境のために働く」と題した作文です。
テーマは、保冷材などに使われるプラスチックを原料とした「高分子吸水ポリマー」。
大浦さん「便利だけれど環境には悪いなと思いました。そのとき母に、『プラスチックではなく自然の原料からポリマーを作っている会社が沖縄にあるから家族旅行を利用して行ってこよう』と言われ行くことにしました」
沖縄にある会社に親子で取材を申し入れた大浦さんの母親に尋ねると。
大浦母「ウェルカムでした。川で泳ぐなりインタビュー行くなり体験ってすごく大事だと思うので、そういうことを親として仕組んでいければいいなと思って企画してみました」
大浦さんに、今後、取り組んでみたいことを聞いてみると。
大浦さん「私が一番興味があるのはゴミ問題だから、家で簡単に取り組める机を拭く時にティッシュを使わずに布巾を使うとかゴミを少しでも減らして、環境のためにそういうことをできる人になりたいです」
入選した作文は、作品集にまとめて県内全ての小学校に配布されます。