早期の診察開始も可能に「マイナ保険証」情報活用しスムーズな搬送へ 長崎市消防局で実証事業《長崎》
救急現場での、迅速な患者搬送につながることが期待されています。
マイナンバーカードと健康保険証を一体化した「マイナ保険証」の診療情報などを活用して、搬送先などを決める実証事業が長崎市消防局で始まりました。
※デモンストレーション
(救急隊)
「マイナ保険証はお持ちですか」
(傷病者の家族)
「はい持っています」
(救急隊)
「読み取ります」
長崎市消防局管内で6日から始まった実証事業。
救急搬送を行う際に、傷病者のマイナ保険証を救急隊が読み取ることで、普段通院している医療機関や、処方されている薬などが把握できるようになり、搬送先の医療機関の迅速な選定などにつながります。
(市消防局警防課 山田 実消防司令)
「ケガや病気で会話が困難な傷病者の人もいるので、情報聴取では困難な部分もあった。救急隊が医療情報を迅速に取り込んで(搬送まで)スムーズにいくことが期待されている」
消防庁は来年度中に全国で導入することを目指していて、長崎市消防局では約2か月間実証事業を行い、効果などを検証します。
高齢化に伴い、年々増加傾向にある救急搬送。
市消防局では昨年1年間に約2万5000件で、4年前と比べ2500件以上増加しています。
また、現在医療機関に搬送するまで平均で46.9分を要していて、通報が重なれば、順番待ちが生じるケースも少なくないといいます。
事業の導入により5分程度 時間の短縮ができ、より多くの傷病者に対応できるとしています。
(市消防局警防課 山田 実消防司令)
「早期の診療開始が可能になると期待している。救急隊のみならず、救急要請する傷病者の利益にもなるので結びついていけばいい」