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長崎くんち【八幡町・弓矢八幡祝い船】“未来へと伝統つなぐ” 大役に燃える家族7人 《長崎》

2024年10月2日 6:45
長崎くんち【八幡町・弓矢八幡祝い船】“未来へと伝統つなぐ” 大役に燃える家族7人 《長崎》

今年の「長崎くんち」で、弓矢八幡祝い船を奉納する八幡町。

伝統をつなぐ大役に燃える親子7人の成長の軌跡を追いました。

曳き回しのスピードと力強さで魅了する男たち。

八幡町は、荒波を越えて長崎を目指す「弓矢八幡祝い船」。

山伏が諏訪神社に「奉とう文」を奉納する様子を再現する「山伏道中」。

そして、剣士たちが勇ましく舞う「剣舞」を合わせて奉納します。

「弓矢八幡祝い船」の根曳を担当する西村 蔵さん 39歳。

船の先頭で山伏たちを守る「侍大将」役で長男の一さん 8歳、囃子を務める長女の茅さん 12歳と二女の凜さん 10歳とともに親子で参加します。

まちの子どもたちが諏訪神社で行った奉納の成功祈願。

そこには西村さん一家の姿も。

次男の巴さん 5歳、三女の苺さん 2歳も、妻のめぐみさんに付き添われ、山伏道中に参加します。

(根曳 西村 蔵さん)
「ものすごく長丁場になるが、本人たちにとって一つのことに向かっていい奉納ができるように、目標に向かって頑張る。その中でいろんなことを学んでほしい」

(長女 茅さん(12))
「くんちを頑張るぞってモードに入りました」

西村家、“熱い夏” の到来です。

船の稽古に先立って始まった 囃子の稽古。

まちに伝わる伝統の囃子が、くんちムードを盛り上げます。

(長采 小﨑 亮平さん)
「10年ぶり、帰ってきたばい」

7月13日、祝い船がまちに戻ってきました。

太鼓や鐘を取り付けながら 船の感触を確かめると、自然と笑顔があふれます。

(根曳 西村 蔵さん)
「10年ぶりなので めちゃくちゃ気合いも入っているが、ものすごく不安な気持ちと熱い気持ちが交錯して、すごく高ぶっている」

それから3日後、稽古の場は いよいよ諏訪の舞台へ。

(長采 小﨑 亮平さん)
「遅い。そっと下りるんじゃなくて早く下りる。そうしないと、だらっとだらけて見える」

姿勢は低く、視線は高く。

荒々しい波を一糸乱れぬ動きで表す根曳たち。所作をひとつ一つ 確かめます。

(指導)
「(目線は階段上の)しめ縄を見るくらい。しめ縄をにらみつけるような感じ」

西村さんのポジションは、10年前の前回に続いて「右舷の2番」。

侍大将を支える大役です。

(根曳 西村 蔵さん)
「侍大将として自分の息子、一が横にいることが前回はなかったので、今回 一緒に船に携わることが ものすごくうれしい。2世代で一緒の船に乗れる、曳ける、携われることがいい」

揺れる船の上で、初めて囃子に臨んだ茅さんと凜さん。

(長女 茅さん(12))
「いつもの練習とは違った感じで、正座じゃないので楽だった。楽しかった」

(二女 凛さん(10))
「もっと音を強くするようにしたい」

山伏道中に参加の妹たちも楽しそうに見守ります。

(妻 めぐみさん)
「みんな力強く頑張ってるなと。楽しみという笑顔が伝わってくる。家族の一大イベントなのでみんなでしっかり思い出とともに楽しさを味わっていきたい」



(長男 一さん(8))
「出立!」

京都から長崎に向かう山伏たちを守る侍大将。

凛々しく、そして勇ましく。

多い時には、週に6日行われた稽古。

約3トンにもなる祝い船。何度も曳き回す根曳たちを鼓舞するように、囃子の音も勢いを増します。

稽古が休みの日曜日。

団らんの中でも「くんち」は、家族共通の話題です。

(根曳 西村 蔵さん)
「本番は甲冑を着けているから、今以上に動きづらくなる」

(妻 めぐみさん)
「家族みんなで同じことに向かってというので。パパが根曳で頑張っている姿勢を間近に見られたり。新しい夏の思い出となってよかった」

諏訪の舞台の初稽古から 2か月あまり。

(長采 小﨑 亮平さん)
「きょうが最後の船回しの練習になるかもしれない。しっかりといい奉納ができるためにがんばろう」

集大成のこの日、熱気は最高潮に達します。

(観客)
「もってこーい」

(根曳衆)
「迫力があった」
「みんなの気持ちでドーンって前に行った感じがした。そこじゃないかな」

(長采 小﨑 亮平さん)
「今の演技を見たように、大分 完成には近づいてきた。最後は魂のところで、ものすごい船回しを見せてもらいたい」

熱い夏を駆け抜けた西村さん一家。本番に向けて、気持ちが高まります。

(長男 一さん(8))
「声が大きく出ていて良かったなと思う。かっこいい姿を見せる」

(長女 茅さん(12))
「みんなで笑顔で楽しんでできるように」

(二女 凛さん(10))
「ミスのない本番にしたい」

(根曳 西村 蔵さん)
「自分の息子、娘、私の家内含めて、こういう形で参加させてもらうことが非常に僕としてはうれしく思っている。次の世代にこれがつないでいけるように。120パーセント出して、いい奉納ができるように頑張りたい」

八幡町では、これまでの稽古の様子をSNSで発信しています。

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