長崎くんち【八幡町・弓矢八幡祝い船】“未来へと伝統つなぐ” 大役に燃える家族7人 《長崎》
今年の「長崎くんち」で、弓矢八幡祝い船を奉納する八幡町。
伝統をつなぐ大役に燃える親子7人の成長の軌跡を追いました。
曳き回しのスピードと力強さで魅了する男たち。
八幡町は、荒波を越えて長崎を目指す「弓矢八幡祝い船」。
山伏が諏訪神社に「奉とう文」を奉納する様子を再現する「山伏道中」。
そして、剣士たちが勇ましく舞う「剣舞」を合わせて奉納します。
「弓矢八幡祝い船」の根曳を担当する西村 蔵さん 39歳。
船の先頭で山伏たちを守る「侍大将」役で長男の一さん 8歳、囃子を務める長女の茅さん 12歳と二女の凜さん 10歳とともに親子で参加します。
まちの子どもたちが諏訪神社で行った奉納の成功祈願。
そこには西村さん一家の姿も。
次男の巴さん 5歳、三女の苺さん 2歳も、妻のめぐみさんに付き添われ、山伏道中に参加します。
(根曳 西村 蔵さん)
「ものすごく長丁場になるが、本人たちにとって一つのことに向かっていい奉納ができるように、目標に向かって頑張る。その中でいろんなことを学んでほしい」
(長女 茅さん(12))
「くんちを頑張るぞってモードに入りました」
西村家、“熱い夏” の到来です。
船の稽古に先立って始まった 囃子の稽古。
まちに伝わる伝統の囃子が、くんちムードを盛り上げます。
(長采 小﨑 亮平さん)
「10年ぶり、帰ってきたばい」
7月13日、祝い船がまちに戻ってきました。
太鼓や鐘を取り付けながら 船の感触を確かめると、自然と笑顔があふれます。
(根曳 西村 蔵さん)
「10年ぶりなので めちゃくちゃ気合いも入っているが、ものすごく不安な気持ちと熱い気持ちが交錯して、すごく高ぶっている」
それから3日後、稽古の場は いよいよ諏訪の舞台へ。
(長采 小﨑 亮平さん)
「遅い。そっと下りるんじゃなくて早く下りる。そうしないと、だらっとだらけて見える」
姿勢は低く、視線は高く。
荒々しい波を一糸乱れぬ動きで表す根曳たち。所作をひとつ一つ 確かめます。