「若い力も借りてもう一度、平和活動の輪を広げたい」被爆80年に向けた新プロジェクト発表《長崎》
若い世代と手を携え、被爆地の思いをつないでいきます。
メンバーの高齢化が進む被爆者団体。来年の被爆80年に向けた新たなプロジェクトが11日、発表されました。
長崎原爆被災者協議会 田中重光会長(83)
「被爆者団体の組織をどう維持し運動していくか、県民、市民を巻き込んで運動をどのように発展させていくのか」
プロジェクトを発表したのは、被爆者4団体の一つ「長崎原爆被災者協議会」です。
被爆者の平均年齢が85歳を超え会員の高齢化が進む中プロジェクトでは来年の被爆80年とその先を見据え3つの柱を掲げました。
若者や海外に向け、被爆者80人の証言を英語の字幕をつけたショート動画などにしてSNSで発信していくほか、被災協の運動の歴史を振り返る記念誌の発行、理事会などのメンバーに被爆2世、3世や一般市民を受け入れます。
さらに・・・
長崎原爆被災者協議会 溝浦勝副会長(82)
「『平和は長崎から』を全世界に広げようと。私たち80年の運動として9条の碑を建てたい」
長崎市の平和公園内に、戦争放棄を定めた憲法9条の条文を刻んだ碑の建立を目指します。
被災協では、ピーク時に数万人いたとみられる会員がおよそ2000人に減少。
長崎を最後の被爆地とするために、若い力も借りてもう一度活動の輪を広げたいとしています。
長崎原爆被災者協議会 田中重光会長(83)
「本当に被爆者がいなくなる。いても、活動できないという年齢。もし核が使われたらどうなるかをみんなが自分事として考えてほしい」
プロジェクトを進めるため募金も広く呼び掛けるほか、被爆者への聞き取りや動画編集などを担う若者を含めたボランティアを募集としています。