「私のほしいものは “長い平和”」長崎へ避難のウクライナ人学生 侵攻から3年の今思うこと《長崎》
ロシアによるウクライナへの侵攻からまもなく3年です。
世界では、戦闘終結に向けた動きも進んでいます。
ウクライナから避難した学生はふるさとの「今」をどう見ているのか、取材しました。
オレクサンダー・オストロウシチェンコさん19歳。
ロシアの侵攻からちょうど1年が経ったおととし2月24日、ウクライナから日本に避難しました。
現在は佐世保市の長崎日本語学院に通い、日本語を学んでいます。
この日は、日本の武道を通じて日本語を覚える授業。
この2年間で会話だけでなく、文化や歴史などについても学びました。
(オレクサンダーさん)
「日本語が上達して、日本人と話すことができるようになったから、だんだん生活が良くなってきた」
生まれ育ったのはウクライナ南部の街 “オデーサ” です。
父 パブロさん、母 ユリヤさん、弟 ロマンさんの3人は侵攻開始から3年になる今も、ウクライナで暮らします。
毎日、テレビ電話などを通じてやり取りをしているそうです。
(オレクサンダーさん)
「私の町に爆弾が落ちた時、本当に緊張する。1年経つと戦争が終わると思ったが、もう3年たった。今は毎日、状況が悪くなっている」
日本に避難して2年。
オレクサンダーさんは、日本でプログラミングに関する職業に就きたいと話します。
そのわけは…。
(オレクサンダーさん)
「弟は今、一番大切。ここに一番来てほしい。だから就職も必ずしたい。仕事をすれば、弟もここに住むことができると思う」
アメリカのトランプ大統領が就任後、ロシアとの間で高官会談が行われるなど 和平に向けた動きもみられますが、オレクサンダーさんは “意味がない” と話します。
(オレクサンダーさん)
「本当の戦争は、ウクライナで起きている。アメリカではない。ロシアではない。ウクライナで戦争が起きているので、ウクライナと話さなければならないと思う。平和について」
長期化する “避難生活”。
家族や友人といつか会える日を…と毎日、毎日、願いながらも
ふるさとに帰ることは、容易に実現しないと考えています。
(オレクサンダーさん)
「今ウクライナに帰るのは無理だと思う。トランプ大統領とプーチン大統領の間で和平が実現し、あしたからウクライナが平和になるといっても、私はまた2年経つとプーチンはウクライナに戦争を開始すると思う。
私のほしいものは、“長い平和”」