クリスマスの飾り付けにいかが?「ステンドグラスの手づくりツリー」障害のある人の就労支援《長崎》
クリスマスまであと1か月を切りました。部屋の飾りつけにいかがでしょうか。
障害のある人たちが心をこめて作る “ステンドグラス” のクリスマスツリーです。
色鮮やかなステンドグラスに、ビーズのかわいい装飾を施した手のひらサイズのクリスマスツリー。
作っているのは、障害がある人たち。
就労支援を行う長崎市の事業所「楽々工房」です。
(講師 田中惠さん)
「きょうはクリスマスツリーを作ります。小田さんと宮部さんは、はんだ付けからは始めてください」
楽々工房では、3年前からステンドグラスを使った商品を製造・販売しています。
ランプや壁かけなどの雑貨に、ブローチやイヤリングなどのアクセサリー。
“季節感” のある作品も人気です。
この日は、事業所を利用している男女3人が作業を担当。
趣味で作品作りを楽しんでいる田中惠さんが、ボランティアで指導しています。
(講師 田中惠さん)
「(それぞれが) 得意なことを、いろいろやってもらうのが一番いいと思う」
ステンドグラスは、型紙をもとに切り抜いた色ガラスを研磨機で整え、銅のテープを巻き、“はんだ” で溶接していきます。
パートごとに分担する共同作業です。
研磨やはんだ付けを担当するのは、ものづくりが好きな宮部正則さん。
料理が得意な小田正人さんも、研磨やはんだ付けを任されました。
2人は『人と話すことが苦手』だといいますが、一緒に作業をする中で会話ができるようになったそうです。
(宮部正則さん)
「(ピンを)下側から付けた」
(講師 田中惠さん)
「え、私はこっち側からつけた。どっちでも、落ないならいいけど」
(宮部正則さん)
「下側からの方が、見た目がいいかなと」
(講師 田中惠さん)
「もうちょっと上に上げてやったら見えるんじゃ」
作業は、それぞれのペースでゆっくりと進められます。
(講師 田中惠さん)
「最初は何もできない状態から始めたので、積極的にいろんなものを自分で作れるようになった」
(宮部正則さん)
「楽しみながらできるので、すごいやりがいがある。自分が欲しくなる色やデザインで(作っている)」
テープを巻くなど、指先を使う細かい作業は、宮部さんの妻の五月さんが担当しています。
(宮部さんの妻 五月さん)
「自分を発揮できることがここで出来て、うれしい」
その特技は…折り紙。しかも、1センチ四方の紙から、1分かからず『折り鶴』を作ります。
道具は一切使いません。
(宮部さんの妻 五月さん)
「手先の器用さもいろんな人に伝わるから、うれしい」
五月さんが折った小さな千羽鶴。
実は来月、ノーベル平和賞の授賞式が行われるノルウェー・オスロのノーベル平和センターに寄贈されるそうです。
(宮部さんの妻 五月さん)
「鶴は平和を祈って作ったので、よかった」
それぞれのできることで力を合わせて作る “ステンドグラス” のクリスマスツリー。
最後に、ビーズ飾りを取り付ければ…
(楽々工房の皆さん)
「できました~」
(宮部さんの妻 五月さん)
「お日さまが当たるところに飾るのが一番きれいなので、飾りたい」
(講師 田中惠さん)
「1つずつ分業で、皆さんの良い所を合わせて作った物なので、ぜひ手に取って買ってほしい」