専門家「第11波に入った」新型コロナ変異株KP.3 のどの痛みなど風邪の症状はコロナかも⁉《長崎》
県内でも急拡大している新型コロナウイルス。
要因の1つとみられるのがオミクロン株から派生した新たな変異株「KP.3」です。
(長崎大学病院 泉川公一教授)
「長崎で正確なデータはないが、東京あたりでは大部分が『KP.3』に置き換わっている。ワクチンや過去に感染して、1回免疫ができあがっているところをすり抜けていく力がある。感染力が強い。(症状に)大きく違いはない。喉が痛いとか下痢をするとか、いわゆる風邪の症状が表立って出てくる。今、そういう症状が出れば、コロナになっている可能性が非常に高いと考えていい」
長崎大学病院感染制御教育センター長の泉川 公一教授は、今回の感染者の増加を流行の「第11波に入った」との認識を示しました。
これまでも夏になると流行を繰り返す新型コロナウイルス。
1つの定点医療機関あたりの感染者数の推移を見ると、去年5月の5類移行後、夏の“第9波”、冬の“第10波”と感染者の増加がみられましたが、今年も6月頃から再び増加し始めました。
泉川教授は、夏休みに入って人の移動が増える時期であるほか、冷房を使うことによる影響も指摘します。
(長崎大学病院 泉川公一教授)
「暑くなってきてクーラーを入れて換気ができにくくなることも(要因に)
ある。過去4年間は夏に人が集まったりゴールデンウイークとかお正月に増えるのがトレンドとして毎年一緒になっている」
流行拡大によって大きな影響が出ているのが医療機関です。
泉川教授によりますと、県内21の主な医療機関では、先週時点で、入院患者は250人以上、医療スタッフは110人以上の感染を確認。
中には治療が必要な患者の入院を延期せざるを得ないなどの対応を迫られている病院もあり、泉川教授は危機感を募らせます。
(長崎大学病院 泉川公一教授)
「病棟の中でクラスターが起きて本来入院予定だった人の入院が延期になることも少なからず出てきている。働き手が感染して休むと残されたスタッフで回さないといけないからきつくなる。負の連鎖がずっと起きている。これだけ高齢化社会になってきて軽いコロナでも全体的に体力が落ちて医療のケアが必要な人が多い。その人たちをすべて収容できるだけのキャパシティはそもそもない。(感染者が)一気に増えると医療機関は大変になる」
今後、お盆などでふるさとに帰る人も多くなる中高齢者など重症化リスクのある人と接する際はマスクを着けるなど、対策を講じてほしいと話します。
(長崎大学病院 泉川公一教授)
「体調が悪ければ症状が強いときはあまり(高齢者などと)会わないようにするとかマスクをしっかり着けて距離を少しとるとかそういった工夫をすることで高齢者を守ることができるのでは」