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教えは “文武両道”「地域の絆で県初優勝」 長与町の地域クラブが全国中学駅伝大会出場へ《長崎》

2024年11月29日 6:45
教えは “文武両道”「地域の絆で県初優勝」 長与町の地域クラブが全国中学駅伝大会出場へ《長崎》

学校の部活動の「地域移行」について考えます。

専門的な指導が可能な教員の不足や、負担の軽減。

少子化による部員不足などを背景に導入が進められていて、国は中学校の休日の部活動を対象に来年度までの3年間を「移行期間」としています。

県内では、長与町が中学校の休日の運動部活動を地域スポーツクラブに移行するなど、各地で動きも出てきています。

競技ごとに大会への参加も認められるようになっていて、県中総体にも昨年度から出場が可能に。

そして今年から参加が可能となったのが「駅伝」競技。

11月に行われた県中学駅伝の女子のレースでは「地域クラブ」が初優勝を果たしました。

監督と選手たちの絆で全国に挑みます。

長与町を拠点に活動する陸上のクラブチーム「西彼陸友会」。

長与中学校の生徒10人をはじめ 地元の小学生など、約20人が所属しています。

このうち中学生の女子は、今年から地域クラブの出場が認められた中総体の駅伝競技に初めて挑戦。

西彼杵郡大会では、いきなり大会新記録で優勝を果たします。

今月7日の県中学駅伝でも、上位でレースを展開すると最終5区、3位でたすきを受けた1年生の横山希歩選手がトップとの約40秒差を逆転。

初優勝を果たしました。

(横山希歩 選手)
「理想は1位でたすきをもらう予定だったけど、3位でたすきをもらって最初は不安に思った。だんだん差が縮まって、これならいけるかもと思って走った」

平日は学校から町内のグラウンドに車で移動して、練習を行っています。

運転するのは、元中学校教諭で去年8月に西彼陸友会を立ち上げた 島田 勝之監督です。

クラブは、明るい性格のメンバーが揃っているそうで…。

(島田勝之 監督)
「運転していても眠くならない。苦痛じゃない」

そんな生徒たちも、ひとたび練習が始まると真剣な表情に変わります。

この日は 30分間の “ペース走” のあと、休憩を取らずに全力の3分間走。その後も5分間のインターバルを置いて、さらに追い込みの2分間走。

指導歴40年の島田監督が「最もきつい」というメニューに、全力で取り組みます。

(島田勝之 監督)
「(最後の2分間走は) 駅伝で言えばラスト500mあたりに近い(走り)。教え子たちはみんな、この2分で強くなったという子は多い」

県大会で大逆転の立役者となった横山選手は、8月の中総体の九州大会800メートルで、8位入賞を果たすなど 期待の1年生です。
 
(横山希歩 選手)
「3年生についていける、負けないところが強さ。日々の練習を一生懸命頑張って、九州、全国に挑んでいきたい」

2区で区間賞を獲得した3年生の原口 夏寧選手は、所属していたバスケットボール部を引退した今年8月、西彼陸友会に加わり、駅伝にチャレンジ。

力強い走りが持ち味です。

( 原口夏寧 選手)
「バスケをしていても全国を目指せる感じではなかったから、この全国大会にいけるというチャンスをしっかりいいものにして、一生の思い出に残るようにしたい」

これまで主に、県内の中学校で指導にあたってきた島田監督。教え子には箱根駅伝に出場したランナーも、数多くいるそうです。

練習前には…

(島田勝之 監督)
「解答用紙をしっかり見て正確に。わかった気になってしたらだめだからね」

文武両道、学習の指導をする日もあります。

夏休みには自宅に選手を集め、勉強会も開催。陸上以外の面も全力でサポートする監督を選手たちも信頼しています。

(松尾さくら 主将)
「(練習は)いつもきついけど島田先生が本当に誰よりも熱心に1人1人に言ってくれるのでついていこうと思う」

12月15日に滋賀県で開催される全国大会。

監督と生徒たちの絆で初めての大舞台に挑みます。

(松尾さくら 主将)
「県大会までは、ライバルと思っていた子たちから全国行くとなってから『頑張って、応援しているよ』と言ってもらって、県の代表なんだと自覚できた。
応援してくれた人たちが喜んでくれるように全力で走りたい」

全国大会の男子の県代表は対馬の鶏知(けち)です。

準優勝の男子・東彼杵、女子・鶏知も含め、県大会上位の男女4チームは、今月30日に熊本で開催の九州大会に出場します。

最終更新日:2024年11月29日 6:45