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鳥取県議の相次ぐ問題 横領・公職選挙法違反に詐欺で逮捕も 問題の背景や解決策は?

2023年12月10日 6:00
鳥取県議の相次ぐ問題 横領・公職選挙法違反に詐欺で逮捕も 問題の背景や解決策は?

鳥取県議会では、今年4月の選挙から1年がたたないうちに、すでに3人の議員の問題が発覚しています。一連の経緯を振り返り、問題の背景や解決策について考えます。

11月29日に開会した鳥取県議会の11月定例会。県議会ゴルフ同好会の会費横領が問題となっている米子市選挙区の松田正県議が、約3か月ぶりに公の場に姿を見せました。そして、横領問題の発覚後、初めて記者団の取材に応じました。

鳥取県議会 松田正 議員
「政倫審等々ございまして、あわせて県警からも任意で聴取を受けておりまして、その辺もございまして多くをお話しすることができません」

しかし、松田県議の口から横領の経緯や横領した金の使い道についての具体的な説明はなく、さらに―。

鳥取県議会 松田正 議員
「それら(政倫や警察)の判断を見て(進退を)判断したいと思います」

今後の状況を見て進退を判断したいとしました。

今年4月の選挙で当選した35人の鳥取県議会議員。選挙から1年もたたないうちに、相次いで、議員の不祥事が発覚しています。

当選6回のベテラン、鳥取市選挙区の藤縄喜和県議。有権者への寄付を禁じた公職選挙法に違反した罪で、6月に罰金の略式命令を受けました。罰金刑が確定すると失職することになりますが、藤縄県議は公民権停止の免除などを求め、裁判所に正式な裁判を請求。こうした中、議会で藤縄県議に対する、辞職勧告が決議されました。

鳥取県議会 藤縄喜和 議員
「地域に経済波及効果が期待される政策がこの数年で重要な局面を迎えます。これらを実現するために引き続き、県議会議員として活動を続ける必要があり、私としては辞職しないという決断をしました」

藤縄県議は、改めて議員を続けていく意向を示しました。

そして今年6月30日、定例会の閉会直後に、現職の鳥取県議会議員が逮捕される事態に―。

逮捕されたのは、鳥取県知事と同姓同名で話題にもなった鳥取市選挙区の平井伸治元県議。2021年に愛媛県で新型コロナ対策の助成金をだまし取ったなどとして逮捕・起訴され、その後、懲役3年6か月の実刑判決が確定しました。

そして松田県議。県議会議員で作るゴルフ同好会の会費横領のほか、政務活動費を使い不必要な宿泊を繰り返していたことも問題となりました。会費横領については、11月30日に開かれた非公開の政治倫理審査会で、詳しい説明や弁明を行ったということです。

こうした相次ぐ議員の不祥事に対し、県議会には県民の厳しい目が向けられています。議会はどのような対応を行ってきたのでしょうかー。

■鳥取県議会の対応は?

鳥取県議会の浜崎晋一議長。失われた議会の信頼を回復するため、議会内の制度改革や政治倫理の向上に取り組んでいます。

鳥取県議会 浜崎晋一 議長
「まず平井議員の政務活動費の留保、これをですね、いち早く対応させていただくということで止めました。次がですね、逮捕・勾留された議員の報酬等の支給制限についての検討をですね、早急にということであります。それから3つ目が政治倫理審査会を設けなければいけないということで、この3点を議長案として提示させていただいた」

県議会では、平井元県議の逮捕を受け、7月に政務活動費支給を一時停止したほか、8月には逮捕・勾留され活動できない議員への報酬を差し止めるよう条例改正を行いました。また、松田県議が政務活動費を使って必要のない宿泊を繰り返していた問題に対し、政務活動費が適切に使われるよう、新たに宿泊基準なども定めました。

制度会改革を進める一方で、浜崎議長はやはり議員個人の資質が大切だと強調します。

鳥取県議会 浜崎晋一 議長
「いっそうの『綱紀粛正』、とにかくこの4文字に尽きる。 県民から付託を受けてですね、使命・責任を頂いている我々として、改めてこういうことはあってはならないと」

改めて、県議会で再発防止に力を入れていく考えを示しました。

■なぜ問題が相次いでいるのか?

平井元県議と現職の藤縄県議、松田県議。なぜこのような問題が相次いでいるのか、選挙制度などに詳しい専門家に話を聞きました。

鳥取大学地域学部の塩沢教授は背景に議員の緊張感の弱まりがあるのではないかと説明します。

鳥取大学 地域学部 塩沢健一 教授
「やはり選挙であるとか議会活動を含めてですけど、いまひとつ緊張感に欠ける部分がどこかにあるのではないかと。今年の4月の統一地方選でもそうでしたけど、非常に競争度の低い選挙であったと現職の議員さんからすると選挙に出ればほぼ当選は確実とみられるようなそういう選挙になる」

実際、4月の選挙において、鳥取市と米子市選挙区で落選したのはそれぞれ1人だけでした。また、塩沢教授は近年の投票率の低下も原因の1つになっているのではないかと指摘します。4月の県議会選挙では、初めて投票率が50%を割り込みました。

鳥取大学 地域学部 塩沢健一 教授
「一部の有権者の投票で決まってしまったということで、十分に監視の目が働いていないという側面もあるかと思います」

問題の解決には、選挙の区割りの見直しや議会の情報公開など制度改革が必要ですが、塩沢教授は別のアプローチも欠かせないと言います。

鳥取大学 地域学部 塩沢健一 教授
「より多様な属性を持った方が議員のなり手になるという、そちらのアプローチも必要かと思いますね」

女性や若い世代など、多様な人材が活躍できる議会を作っていくことが大切だということです。

相次いだ県議会議員の不祥事。議員個人の責任はもちろんですが、有権者の姿勢も改めて問われています。