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「幸せとはなんなのかということを」 特急『やくも』新型車両の設計者の思い 鳥取県・島根県

2023年11月7日 18:10
「幸せとはなんなのかということを」 特急『やくも』新型車両の設計者の思い 鳥取県・島根県

山陰と山陽を結ぶJR西日本の特急「やくも」。11月7日、その新型車両が山陰に初めて到着。設計を担当したデザイナーの思いも取材しました。

扇畑亘記者
「たった今、新型やくもの車両が松江駅に入線しました」

11月7日、JR松江駅に到着した新型車両273系電車。来年春から特急「やくも」で運行開始される予定で山陰では初めてのお披露目です。11月7日は、沿線自治体の関係者らを集めての内覧会で、出雲市駅から米子駅を経由し、根雨駅の区間を走行しました。

参加者
「椅子も今までに比べてすごく快適で、すごく楽な気持ちで乗っています」

内覧会には鳥取県米子市の伊木市長も乗車。

米子市 伊木 隆司 市長
「ブロンズやくもに乗るということも旅の目的の一つにしていただいて、非常に車内は快適ですし、多彩なシートアレンジができるコーナーもありますし、そのあたりを味わっていただくという意味でもぜひ、やくもを使って山陰に観光にお越しいただくとうれしく思います」

4両編成で171席がある新車両。内装・外装の設計を担当したのは、建築家の川西康之さんです。

新型「やくも」設計担当 川西康之さん
「このやくも号に乗ったら、山陰の我が家という風にお感じ頂きたいと思ってデザインしました」

川西さんはこれまでに、山陰方面にも運行している「WEST EXPRESS 銀河」の設計も担当。外装のデザインは、「やくもブロンズ色」という独自の色を配合。山陰の自然や文化との調和を目指したと言います。

さらに今回、「やくも」デザインを行うため、実際に今走っている「やくも」号にも乗車。そこで、あることに気付いたそうです。

新型「やくも」設計担当 川西康之さん
「ほとんどのお客様が昼夜問わず、寝てらっしゃるお客様が多い。携帯電話が山間部で通じないこともあるので、乗車中はPCで仕事もできない、読書よりも寝るという客が大変多いように見受けられました。豊かな移動空間はなにかと問いかけたときに、いろんな過ごし方がある、いろんな居場所がある、これが豊かな移動空間」

乗客を飽きさせないよう、車内は明るく、開放的な空間に。シートには、島根県にはなじみの深い麻の葉や亀甲紋が描かれています。そして、通常座席に加え、ボックス席も用意。実はこちらの席、下の部分をスライドさせるとフラットシートに。

扇畑亘記者
「こちらの座席、実はこのように足を伸ばすことができ、とても解放感を感じられます」

セミコンパートメントという新型やくも独自に設計された席。家族連れやグループ客に多く利用してもらうため、考案したと言います。

新型「やくも」設計担当 川西康之さん
「人口がどんどん減っていく、気持ちが暗くなるような情報が多いけど、より交流人口・関係人口を増やしていく、幸せとはなんなのかということをやくも号をきっかけに始まったらいいなというのが、デザインした私の願いです」

新型やくもの273系電車は、11編成 製造され、来年4月から順次置き換わるということです。

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