高齢男性が大山頂上付近で滑落 自らで救助要請するも…亡くなる 相次ぐ大山での遭難 山岳関係者が準備を呼びかける冬山登山“三種の神器”とは? 鳥取県
12月24日午後、大山に登っていた岡山県の男性(77)が頂上付近で滑落。一夜明けた25日朝、午前5時から警察や山岳協会など24人体制の捜索が行われました。
そして、午前8時過ぎ、島根県防災ヘリコプターが、意識がない男性を発見。鳥取県米子市の病院に搬送されましたが、死亡が確認されました。男性は、1人で大山に訪れていて、登山届は出していたということです。
琴浦大山警察署 井上将 地域課長
「われわれ(捜索隊は)8合目あたりまで進出しましたが、そのあたりでヘリ救助がかないましたので、下山してきたという状況です」
大山では12月21日でも雪山遭難が発生しました。大山で登山をしていた福岡県の36歳の男性が、登山道で遭難し、雪で動けなくなり警察に通報。翌22日に救助されましたが、この男性は、登山届を出していませんでした。
このように、12月に入って遭難が相次いでいる大山。実は、今年3月にも3人が雪崩に巻き込まれ、このうち2人が亡くなっています。登山届はもとより、冬山登山には“三種の神器”も必ず準備するよう呼びかけられています。
地元の山岳関係者 兜山真宏さん
「自分の位置を知らせるビーコン、それから人を助け探すためのプローブ(ゾンデ棒)ですね。それから人を救うために使うシャベル。この3つは、絶対に持って行ってもらわないと困ります。雪が降ると気軽に登れる大山がとても厳しい山になります。そういう事を十分に把握して、楽しい登山を心がけていただきたい」
「ビーコン」は微弱な電波を出すトランシーバーの一種で、雪崩に巻き込まれるなど雪に埋まってしまった際に、救助者へ居場所を知らせるものです。近年はスマホの機能を使ったものなども出ていて、万が一の時に救助までの時間を短縮することができます。
一方のプローブ(ゾンデ棒)は、組み立て式の棒の名称です。普段はコンパクトなサイズですが、使用時にはワイヤーなどでつながった短くパーツをつなげることで長い棒が完成します。雪を突き刺しながら、雪崩などで埋まってしまった対象を探すためのツールです。
最後のスノーシャベルは、雪を掘ったりかき分けたりする道具で、軽量・コンパクトなものも多く販売されています。いずれも雪崩などでの救助に使う道具で、山岳関係者は必ず携帯すべきものだといいます。
琴浦大山警察署 井上将 地域課長
「遭難事案がたて続けに発生しています。ぜひとも安全第一で登山を楽しんでいただきたいと思っています」
今年の年末年始は、最大9連休となり、大山は冬山登山者でにぎわいそうですが、相次ぐ遭難事故を教訓に、登山前の準備の徹底や最大限の安全対策が必要となりそうです。