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「教わった技能や技術を忠実に守り、伝統を継承していきたい」 たたら製鉄の総責任者「村下」の後継者に島根県奥出雲町の男性が委嘱 6月に亡くなった前「村下」・木原明さんの弟子

2024年7月19日 19:10
「教わった技能や技術を忠実に守り、伝統を継承していきたい」 たたら製鉄の総責任者「村下」の後継者に島根県奥出雲町の男性が委嘱 6月に亡くなった前「村下」・木原明さんの弟子

日本古来の鉄づくりの技法「たたら製鉄」の総責任者「村下」を長年務め、6月に亡くなった木原明さん。その後継者として、島根県奥出雲町の男性が新しい「村下」に委嘱されました。

7月18日付で日本美術刀剣保存協会から新しい「村下」として委嘱されたのは、島根県奥出雲町の堀尾薫さん(55)。

堀尾薫さん
「村下(木原さん)の技能、技術、そして精神、これらを学ばせていただいたので『令和の玉鋼、品質良いね』といってもらえる玉鋼を生み出していこう」

堀尾さんは1989年、島根県安来市にある現在のプロテリアル安来製作所に入社し、その4年後から鉄づくりに携わりました。師匠は6月亡くなった木原明さん。

堀尾薫さん
「日々の業務の中から感性を磨きなさいというのをずっとおっしゃっていました。オーラがあって偉大な方でした。実際、操業に入ると自分にすごく厳しくて、私にもすごい厳しく指導していただきました」

木原さんのもとで技術を磨き続け、2014年からは「村下」の代行に就任、現場を束ねることも増えていきました。「たたら製鉄」にとって最も重要な作業「たたら吹き」。日本刀の原料「玉鋼(たまはがね)」をつくる製鉄法です。1977年、国の選定保存技術に選定され、去年からは、木原さんが唯一の技術保持者として認定を受けていました。しかし、木原さんが亡くなり、「たたら吹き」の選定保存技術の選定は解除に…。

こうした中、7月19日に開かれた国の文化審議会で、「たたら吹き」は国の選定保存技術として再び選定の見通し、堀尾さんも新たな技術保持者に認定される見通しとなりました。(選定・認定自体は今後)

堀尾薫さん
「世界に誇れる鉄の最高芸術・日本刀。この素材をたたら製鉄で作られた素材じゃないと、この美しさは出ません。これからも継承してまいる所存です」

堀尾さんは今後、師匠の木原さんから教わった技能や技術を忠実に守り、伝統を継承していきたいと話しています。