【豪雪】青森県に33億円“前倒し交付” りんご園被害軽減には「ドローンで融雪剤散布」 ハウス倒壊は15市町村で135棟に上る
除排雪の財政支援を行うため、総務省が青森県など11道県に特別交付税の前倒し交付を決めました。
県の配分はおよそ33億円で全体では2番目の配分額です。
村上総務大臣はきょうの記者会見で記録的な大雪に見舞われた青森県や新潟県など11道県の124市町村に、2024年度3月分の特別交付税を前倒して交付すると発表しました。
青森県は災害救助法が適用された地域を含む24市町村が対象で、合わせて33億2500万円が交付される予定です。
県内で最も多いのは青森市で6億6300万円、次いで弘前市が3億8400万円、むつ市が3億1000万円と続いています。
大雪での繰り上げ交付は2年ぶりです。
★村上誠一郎 総務相
「今後も除排雪経費などの自治体の財政運営に支障が生じないよう、特別交付税の算定において青森県の配分は新潟県に次ぐ2番目の配分額であす交付される予定です。
りんご園にドローンで融雪剤散布
これまでの大雪を受けて、つがる弘前農協は雪害対策本部会議を開き、関係機関から30人が出席しました。
会議では県がりんご園の被害について、4月中旬にとりまとめを検討していることが報告されました。
弘前市など管内の市町村は生産者の支援として、それぞれ農道の除雪の前倒しをはじめ、融雪剤や塗布剤などの購入費の支援を検討しているということです。
一方、農協は雪による枝折れなどの被害を軽減するため、りんご園にドローンで融雪剤を散布することを明らかにしました。
融雪剤をまくことで雪がザラメ状になり、雪が沈み込む際に枝が引っ張られて折れるのを防ぐ効果があるということです。
融雪剤は1袋の重さが15キロから20キロあり、雪で足が取られる園地にまく作業が大変でドローンでの散布が有効だとしています。
★つがる弘前農協 天内正博組合長
「(りんご産業は)昨年おととし数量減ということで推移していた ことしは期待していたが、この枝折れ被害で数量の減少も心配されていますので」
「なんとかドローンによっての消雪を徹底していきたいと思っています」
ドローンでの融雪剤の散布は今後、藤崎町などでテストをしたあと希望する組合員の園地で行う予定だということです。
県議会でも雪による被害や今後の対応が議論されました。
★自民党 齊藤爾 議員
「損傷した(りんごの)枝が多数あることが予想されるので、修復に向けてどのような対策を取るのか」
★県りんご果樹課 種市順司 課長
「傷口を密着させて、かすがいやボルト等で補強することで修復できる可能性があることから関係団体と連携し指導していきたい」
一方、枝や幹がすべて折れた場合などは修復は見込まれず、早期の植え替えを指導するとしました。
りんごの枝折れは青森市や弘前市など10市町村で確認されていますが、被害面積などは調査中となっています。
また、ハウスの倒壊なども15市町村で135棟に上っています。
県は被害の全容がわかるのは雪どけ後の3月以降になる見通しとしています。
建物被害は住宅が52棟、住宅以外が151棟確認されています。
青森市の小中学校では施設の一部が壊れる被害も新しく判明しています。
また除排雪の支援として、県が仲介し排雪用ダンプカーを市町村に派遣する取り組みは今月末までに6つの市町村にのべ239台を派遣する予定です。