「院内保育所」や「立体駐車場」も…9階建ての統合新病院“基本計画案” 最大966億円の事業費負担割合は青森県が6割、青森市が4割
病院棟は地上9階建て、事業費は最大966億円を見込んでいます。
統合新病院の基本計画案は県議会の全員協議会で宮下知事が示しました。
★宮下知事
「診療機能施設整備計画経営形態 事業費負担割合などについて検討してきたところでありこの度、基本計画案としてとりまとめましたのでその概要について説明申し上げます」
基本計画案によりますと新しい病院は県立中央病院と青森市民病院がそれぞれ担ってきた「高度医療拠点」「中核病院」の役割を継承します。
県営スケート場には地上9階建て7万2,600平方メートルの病院棟が建てられます。
高層階に一般病床、低層階に外来診療などが入ります。
診療科の数は県立中央病院の39の診療科を基本とします。
地震に備え免震の機能も持っています。
近くには屋上ヘリポート付きの立体駐車場、病院棟と渡り廊下で接続する緊急医療施設のほか保育所も整備します。
現在サンドームがある場所は来院者用の立体駐車場を整備、渋滞を回避するため東側の市道を拡幅します。
浜田中央公園は西側に青森中央インターチェンジや市道から救急車両が通行する道路を確保しますが、公園としての機能は基本的に残すとしています。
★県議会 新政未来会派 田名部定男代表
「(浜田地区の住民懇談会に)トップが出てこないのかという話になっているようですから、セントラルパークから浜田に移転した背景をしかるべき立場の人が説明しなくてはいけないのではないか」
工事費など整備にかかる事業費は最大966億円を見込んでいます。
整備運営費の負担割合は病床数から算出し県が6割、市が4割となります。
★青森市議会 自民クラブ 小豆畑緑会長
「(もう少し市の負担が)だってスケート場のこととかいろいろありますでしょ」
「これから県や市は地域住民に対して懇切丁寧に説明を尽くしていくべきだと思います」
★青森市議会 市民クラブ 木下靖代表
「詳細はこれから見てみないとわかりませんが、県と市の分担割合が果たして妥当な線なのかしっかりと見ていきたい」
経営形態は最初は一部事務組合が運営する「企業団」ですが、その後「地方独立行政法人」の移行も検討します。
試算では2つの病院をそれぞれ建て替えた場合に比べて212億円の財政効果があります。
新しい病院の一般病床の規模は751床。
感染症病床は6床であわせて757床となります。
整備のスケジュールは新年度に基本設計を発注し、再来年度からより細かい実施設計を行います。
工事は2028年度から取りかかり、およそ4年かかる見通しです。
開院の目標時期は2032年10月です。
★県議会 自民党会派 山田知議員総会長
「しっかりと住民や多くの方の意見を聞きながら進めていくとなると結構タイトなスケジュールかなと思っていますが、県が示したスケジュールにある程度沿う形で早期に整備を進めていただきたい」
基本計画案について宮下知事は…。
★宮下知事
「全県の医療水準の向上や全県の患者を最後受け入れて笑顔で退院していく環境を作っていくことがとても大事なことだと思いますので、そういう病院になるように取り組みを進めたい」
基本計画案は有識者会議や県議会の質疑を経て、年度内に策定される予定です。