ギャンブル依存症 膨らむ借金で自己破産のケースも 患者とその家族のサポートを 「戻ってこられる社会に」
特集はギャンブル依存症です。身近にあふれるギャンブルにのめり込み、抜け出せなくなる人は少なくありません。
ギャンブル依存症からの回復のステップと当事者が社会復帰にあたって抱える問題を取材しました。
★当事者の会
「種目はパチンコスロットオンライン競馬」
「自己破産するにも70万円近くかかっててその費用をどうにかしようというのでまたギャンブルしてしまって」
これはギャンブル依存症に苦しむ人の告白です。
ギャンブル依存症はギャンブルなどにのめり込んでコントロールができなくなる精神疾患の一つです。
★ギャンブル依存症 Aさん
「8年から9年 その間は1週間もギャンブルをやめたことはなかった」
県外に住むAさんは仕事中でも友人や家族といるときでもギャンブルが頭から離れなかったと言います。
★県立精神保健福祉センター 田中治 所長
「ギャンブル依存症という状態になられる方はやりたいという気持ちをなかなか抑えられない ある程度コントロールできないのが依存症の特徴かなと思います」
県立精神保健福祉センターでは6年ほど前からギャンブル依存症についての相談が増えていて、月2~3人が新規に相談に訪れています。
去年公表された調査では回答した全国8898人の中でギャンブル依存症の疑いがあったのは1.7%でした。
ギャンブル依存症に苦しむ人は全国におよそ214万人いる計算になります。
ギャンブル依存症に苦しむAさんはGAと呼ばれる自助グループに通い、これまでの経験や現在の状況を語り合うことで回復を目指しています。
ギャンブル依存症で苦しむのは本人だけではなく、家族も同じです。
遠藤さんは県内を中心にギャンブル依存症患者の家族を支援する活動を行っています。
息子がパチンコでギャンブル依存症になり数百万円の借金を抱えていた6年前に「全国ギャンブル依存症家族の会 青森」に助けられました。
★全国ギャンブル依存症家族の会 青森 遠藤さん
「ギャンブル依存症という病気のことを知らなかったので家族会で学んでギャンブルをするために借金をするのは普通ではないと知りました」
家族の会はギャンブル依存症の患者の家族が集い、問題への対処の仕方を学んだり悩みを共有供しています。
遠藤さんは現在「世話人」として月一回の家族の会を企画しています。
この日はギャンブル依存症の家族10人と依存症の当事者4人が参加しました。
その中にはギャンブル依存症に苦しむAさんの姿も。Aさんは週1回、全国各地で自身の体験を語っています。
「当事者の会」も別の部屋で行われました。
抱える問題は深刻ですが、「言いっぱなし」「聞きっぱなし」を基本にしています。
★当事者の会
「パチンコスロットはまってるときはある程度の金額だったんですけど競馬にはまってくると金額が大きくなってしまって(ギャンブルには)ほとんど手を出しました」
「自助とか考える会につながってお金がすべてじゃないしいろんな相談しながらやってきた結果今の仕事もちゃんといいところに勤めてますし家族にも理解してもらえました」
当事者の会もGAと同じようなプロセスでギャンブル依存症からの回復を図ります。
そこには抜け出すための光をなんとか見つけ出そうとする姿がありました。
★全国ギャンブル依存症家族の会 青森 遠藤さん
「ギャンブル依存症かなと思ったときにちゅうちょ無く相談してみようと思える方が増えることを願っておりますし かつてはギャンブル依存症で苦しんだけれどもその後社会復帰して社会の一員として活動している一回失敗したとしてもまた戻ってこられるようなそういう社会になってほしいなと」