こんな自転車の乗り方もNGに…11月1日から罰則強化「ながらスマホ」の危険性
11月1日から自転車の「ながらスマホ」と「飲酒運転」の罰則が強化されます。 改正のポイントと 「ながらスマホ」の危険性をお伝えします。
夜、街灯の少ない道路を走る車。左側から飛び込んできたのは、自転車です。自転車の男性を見てみると、手にはスマホらしきものが。
四つ角を曲がった先で突如現れた、無灯火の自転車。そのまま転倒してしまいました。片手運転で「電話中」だったとみられます。
【スタジオ】
松友アナ:
「ながらスマホ」ですね。
杉本記者:
「ながらスマホ」、これまでも道路交通法で禁止されていましたが、来月から罰則が強化されるんです。
「ながらスマホ」、具体的には、自転車で走りながらの通話やスマホ画面を見る行為のことで、自転車に取り付けたスマホの画面を見るのも違反です。
現在愛媛県では、ながらスマホをした場合、県の道路交通規則で『5万円以下の罰金』となっているのですが、11月1日からは、全国統一で『6か月以下の懲役または10万円以下の罰金』。罰則の内容は車の「ながらスマホ」と同じで、14歳以上が検挙の対象です。いずれも、信号待ちなどの停止中の操作は対象外です。
松友アナ:
なぜ、今回罰則が強化されるんでしょうか?
杉本記者:
全国で、「ながらスマホの自転車」が引き起こす交通事故が増加しているからです。こちらは、全国で携帯電話を使っていた自転車の運転者が“加害者”になった事故の件数です。件数は10年で右肩上がりとなっていて、去年は過去最多の139件。10年前の倍以上に増加しています。
県内では、自転車の交通事故自体が緩やかに右肩下がりで、携帯電話使用中の事故も年間2~3件と数としては少ないですが、こちら、ご覧ください。
今月、松山市内で撮影していると30分の間に運転中の通話や、操作をしていた人が2人いました。来月の罰則強化について聞いてみると…
高校生:
「えっ?!10万…ちょっと厳しいなと思います」
「重い…」
高校生:
「聞いたことはありました」
「普段から気を付けてはいるんですけど、もっと気を付けないといけないなと思いました」
女性:
「厳しいですけど違反しなくなる糧になるかなと思いますね」
「ながら運転」はどのくらい危険なのか?その危険性を体験しました。
杉本記者:
「きょうは特別にスマホでメッセージを送りながらこのおよそ40mの道を自転車で走ってみたいと思います」
コースは白線の上を走る直線ゾーンと、コーンの間をジグザグ走る蛇行ゾーンのおよそ40m。
まずは、普通に運転した場合。
杉本記者:
「ああ、簡単ですね」
19秒で通過することができました。
一方…
杉本記者:
「晩ごはんなに?」
スマホでメッセージを返しながら走ると…普通に運転した時より11秒遅い、30秒でゴール。
杉本記者:
「メッセージ自体は晩御飯なに?すきやき。やったー!っていう3つのやりとりまではできたんですけど、すごいハンドルとられますね。私右利きなので左で携帯持ってたんですけど、目の前のものは1m先くらいしか見えてませんでした」
こちらは、ながらスマホ撲滅のため、KDDIなどが行った実証実験の様子です。実験では、視線の動きをとらえる装置を、自転車の運転手11人が装着しスマホでメッセージを打ちながら、駐車車両や歩行者が現れるコースを走行。歩行者をどのくらい確認することができたかを調査します。
その結果、歩行者を見落とした回数は、通常走行で1.3回だったのに対しながら走行では2回となり、「見落とし率」は5割増加。
歩行者を認識するまでの時間は、通常走行の1秒と比べてながら走行では1.7秒と、遅れました。
【スタジオ】
松友アナ:
ちょっと確認、ちょっと電話するくらいのつもりでも、それがとても危険だということが分かりますね。
杉本記者:
ながらスマホだけでなく、11月1日からは自転車の「酒気帯び運転」も罰則が強化されます。これまでの「酒酔い運転」だけでなく、車と同じく、呼気1リットルあたり0.15ミリグラム以上のアルコールの保有で「酒気帯び運転」となり、3年以下の懲役または50万円以下の罰金が科せられます。
「罰則強化」を機にもう一度、自転車の乗り方を見直してみませんか?