「電気代が未払いのため至急ご対応を」電力会社騙る“特殊詐欺”が急増 巧妙化する手口とは?
11月、愛媛県今治市で40代の女性がおよそ1200万円をだまし取られる事件が発生するなど、県内で増加傾向にある特殊詐欺。
巧妙化する特殊詐欺の手口。被害にあわないため、注意すべきポイントは?
実際に特殊詐欺のかけ子からかかってきた、電話の音声です。
音声データ:
「いつもご利用ありがとうございます。お客様の電気代は未払いのため、 2時間後停電となります。詳しくは1を押して担当へ繋いでください。大事なお知らせなので、至急ご対応お願いします」
音声ガイダンスによる、電気代の未払い連絡。指示通りに「1」を押すと…
電話口の声:
「こちら日本電気協会といいます。どういったご用件でしょうか。もしもし。(少し間を置いて)もしもし~。お電話つながってますかもしもし~」
電話口に、日本電気協会を騙る男が現れました。ここ最近、特殊詐欺の手口で急増する電力会社や団体を騙る、未納料金の請求。
その多くが音声ガイダンスから始まるといいます。
県警担当者:
「生活に根付いた必ず皆さんが利用されるものを使って脅してきますので、騙される方も多くなっている」
県警によると、電力会社や団体を騙った電話は2023年5月までなかったものが6月以降は177件に。
今、県内で急増している手口のひとつです。
県警担当者:
「自動音声アナウンスで電話が止められるとか電気が止められられるという電話がかかってくることはありませんので」
暮らしと密接につながった企業や団体を騙る電話はほかにも…
予兆電話に遭った女性:
「NTT〇〇という会社名を名乗られて、(使っている)携帯自体がそれなので料金だけでも教えてほしいと言ったら、総額30万弱の金額を言われた」
伊予市に住む、30代の女性。2022年、実在する会社の社員を騙る男から、携帯アプリの未納料金を請求されました。
予兆電話に遭った女性:
「向こうの口調は全然怒ったりとかではなく、ゆっくりで丁寧なので余計にあ、そうなんかな? と納得してしまうような」
その後、女性が「警察に相談する」と話すと男は無言になり、電話を切ったといいます。
電力会社に金融機関、警察官などを騙るなど、様々な手口で忍び寄る、特殊詐欺。
ここ最近目立つのが…
県警担当者:
「夏以降国際電話を使用した詐欺がものすごく増えています」
市外局番にアメリカやカナダ、イギリスなどを表す国番号の「+1」や「+44」が付いた、国際電話を使った特殊詐欺の電話です。
県警によると国際電話を使った手口は今年6月に16件だったのに対し、先月は65件と4.1倍に増えていることが分かります。
県警担当者:
「年齢に関係なく誰でも騙されてしまう時代になってきている。怪しいなと思う電話がかかってきたときには警察署の方に連絡してほしい」
一度、お金を振り込んでしまうと戻る可能性が低いと言われている特殊詐欺。
音声データ:
「お客様の電気代は未払いのため、 2時間後停電となります。詳しくは1を押して担当へ繋いでください」
県内では先週、預貯金詐欺と架空料金請求詐欺の電話が5件確認され、県警は県内全域に、今年16回目となる「特殊詐欺被害アラート」を発表して、注意を呼び掛けています
被害に遭わないようにするため、県警は、ホームページや公式アプリ「まもるナビ」で特殊詐欺に関する情報を発信しています。
また、同居の家族など身近な人のちょっとした気づきと声掛けで被害を未然に防ぐことができます。
少しでも怪しいと感じたらすぐに電話を切り、警察相談専用ダイヤル「#9110」などの窓口に相談するようにしてください。