松山城の営業休止で観光客激減の「ロープウェー商店街」人の流れ復活へ市と県に申し入れ
土砂災害を受け、松山城ではボーリング調査を行い安全点検を進めているため、ロープウェイやリフトを含め営業を休止しています。災害が発生した12日から休止していて、再開まであと2週間程度かかる見込みです。
きょう午前、ロープウェイ駅舎の前では…
香港からの観光客:
「1か月?!…残念」
休止を知らずに訪れ、肩を落とす観光客が。
埼玉県から:
母「旅行で四国のお城巡りをしてて、スタンプだけ押せるって聞いたんで来ました」
息子(小4)「悲しいです。一ノ門南櫓を見たかったので」
Q.また来てくれる?
「はい」
愛知県から:
「ロープウェーは乗れるかなと思ったんですけど、無理だということで。散歩がてら歩いてみようかなと 思ってます」
松山城のふもと、およそ150店舗が軒を連ねるロープウェー商店街にも影響が出ています。
松山ロープウェー中央商店街振興組合 向井英樹理事長:
「鯛めしやさんとか、観光のお土産屋さんに関しましては、昨年対比で4割きっている、3割台まで売り上げが減っているというところで。たとえ1か月であっても維持するのが大変じゃないのかなと感じてます」
去年7月には1日平均およそ2500人がロープウェイやリフトを利用していて、商店街にとってはまさにこれからが‟書き入れ時”ですが…
みつのもり 森拓郎店長:
Q.これは少ないですか?
「めちゃくちゃ少ないですね。ツアーのお客さまは全然いなくなってるので、うち自体はそんなに(売り上げ等に)被害はないんですけど」
商店街の人通りが激減。
こちらの鯛めし店では売り上げに大きな影響はないものの、同じ商店街にある系列店では、去年の同じ時期と比べて客の数が4割ほど落ち込んでいるといいます。
松山鯛めし 秋嘉 芳野正徳店長:
「閉まってるというのを、海外の人とか県外の人はわかってなかったりするので、今後どうなるかな?っていうのはありますね。松山城が閉まってて、このお店を選んでもらえるというのはすごくうれしいことなので、来てもらったお客様には全力の対応、接客をしたいと思ってます」
こうした中、ロープウェー商店街の振興組合はきょう、松山市に現状を訴え、人流を復活させるための取り組みに協力してもらおうと、野志市長に陳情書を手渡しました。
向井理事長:
「人流をなんとか作ってイベントをできるところがあればさせていただきたいですし、そういった中でちょっとでも売り上げを作れるように」
向井理事長らは、店舗によっては売り上げが前年比の7割減となっていると現状を伝えたうえで
・観光客に対し、ロープウェー商店街の店舗が通常通り営業していると情報発信する
・営業を停止しているロープウェー駅舎や大型バスの駐車場を開放しイベントなどで使えるようにする
などの支援を訴えました。
これに対し、野志市長は…
「“城山ロープウェイ駅舎の2階の広場でイベントをするなど”ということを記載されていますが、どんどん使っていただいたらと思います」
駅舎の2階のスペースを無料で使えるようにするほか、イベントの開催やクーポンの発行などに活用できる補助金に100万円を上乗せすると伝えました。
また、県庁では…
中村知事:
「ともかく大街道、銀天街が厳しい状況になっている中、ロープウェー街まで失ってしまうと本当に大変なことになるということで、県としてできることはサポートしていきたい」
中村知事が韓国や台湾などからのインバウンド観光客へのロープウェー街のPR強化など、市や振興組合と連携して側面的な支援を行う方針を示しました。